消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
NEW
2023.05.11 23:16
2018.11.07 06:00
南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」
封印されたダイオキシン問題、蝕まれる日本人の体…生殖機能低下や腫瘍形成の恐れも
もうひとつ私たちが考えるべきは、食べものを廃棄しないようにするということです。家庭料理をシステム化して、購入した食材を無駄なく使い切るという努力をするべきです。大して使いもしない調味料を揃えることは、料理上手な人や料理好きな人のすることではありません。インターネットで配信される低俗な料理のつくり方ばかり真似していると、知らず知らずのうちに不必要な食材と、使いもしない調味料と、意味のない加工食品でキッチンがあふれかえってしまいます。
私たちが家庭の、特にキッチンから出るゴミを極力少なくすることによって、国全体のゴミの総量が減り、やがて焼却炉も減り、徐々に発生するダイオキシンの量も減っていくことでしょう。そういうライフスタイルを、次の世代に受け継ぎたいものです。大量消費の時代はとうに過ぎ去っていることに、私たち自身が気づかなければなりません。
2011年に起きてしまった東京電力福島第一原子力発電所事故の後、福島県相馬市には計3基の焼却炉が、数十億円という巨額の費用をかけて建てられました。そしてその稼働率はわずか50%で、数カ月後になぜか解体されています。しかも、この件に関して地元住民には一切の説明がなされていません。そして本来、説明責任があるはずの環境省は「関知していない」というコメントを出しています。福島県には、この相馬市以外にも焼却炉が建てられています。解体も含めてそれは、すべて税金で賄われています。
筆者が考えるに、このようなことは福島の復興にはまったく役立っていません。いったい誰が得をしているのでしょうか。それを考えるのは、国民一人ひとりだと思います。
いずれにしても、私たち自身がゴミを排出しない生活をすれば、この先、ゴミ焼却炉を建設する必要もないわけですし、ダイオキシンの発生も必然的に防げるわけですから、一挙両得どころか、三得、四得にもなります。皆さん、食生活、食習慣を思い切って見直しませんか。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.06.26 17:00
2024.06.19 16:35
2024.03.17 17:30
2024.02.27 09:34