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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

堀ちえみ、池江璃花子…若い人の「がん」罹患が増えている原因

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

 2月12日、池江璃花子さんが白血病であることを公表し、大ショックを受けたが、それが冷めやらぬうちの1週間後の2月19日には、タレントの堀ちえみさん(52)が「舌がん」であることを公式ブログで公表した。

 昨年夏から治療を受けていた口内炎がなかなか治らず、今年1月に検査した結果、ステージ4の舌がんと診断され、近々患部の舌や左首のリンパに転移したがんを切除する手術を受ける予定という。

 それにしてもここ数年、がんに罹る“若者”やがんで死亡する“若者”が目立つ。全体の一握りである著名人がこうなのだから、一般の人の“若者”の間でも、がんが蔓延しているのは想像にかたくない。

 私が“若者”というのは「55歳」以下の人を指す。今、日本人の男性平均寿命が81歳あまり、女性のそれが87歳あまりであるので、男女ひっくるめての平均寿命が仮に「85歳」としてみる。一世代=30歳なので、85歳から30歳を引くと「55歳」になる。よって親より早く死ぬ人を「若者の死」というのである。

 昨年「55歳」以下で亡くなった有名人を列挙してみる。

堀ちえみ、池江璃花子…若い人の「がん」罹患が増えている原因の画像2

 一方、昨年(2018年)9月の段階で、100歳以上の人は国内で6万9785人の多きを数える。最長寿の女性は、福岡の田中力子さん116歳、同じく男性は北海道の野中正造さん113歳であったが、野中さんは惜しくも1月20日に亡くなられたので、今は新潟県の渡邉智哲さん111歳である。

 こうした長寿者の方々は明治末から大正時代に生きた、粗食でよく働き、よく歩いた人たちだ。ときには食糧難の時代もあったので「空腹」を余儀なくされた人たちでもある。

「百寿者の方々と、がんで早死にする若者たちの差をひとつ挙げよ」と言われたら、私は躊躇なく、「空腹を経験したことがあるかないか」を挙げる。

 交通機関、家電製品の発達・普及等により、「歩くこと」「筋肉労働」をほとんどしなくなった「若者」たちであるが、巷にあふれる食べ物は、いつでも、どこでも食べることができ、「飽食」に陥っている。

 その結果、「高」脂血症、「高」血糖、「高」体重など「高」のつく明らかな食べすぎの「メタボ」に悩んでいる。メタボの人はがん、脳卒中、心臓病、糖尿病、脂肪肝、痛風など、ありとあらゆる「生活習慣病」に罹りやすい。まさにこうした世相のなかで「若者」のがん罹患が増えている、といってよい。

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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