消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
超高額保証金を要求するオーナー続出
そんな中、チョンセを続けるオーナーたちが、保証金を従来の5割弱から7~8割にまで引き上げるという力技をとるようになった。さらに悪徳なブローカーたちになると、不動産の実売価格よりも高い保証金を要求するケースまであるという。そうして手にした保証金で多くの物件を独占しながら、さらに保証金を引き上げるのだ。保証金が高騰したことで、お金のない人々は賃貸をあきらめるしかない。
倫理的に問題がありそうに思える“チョンセブローカー”だが、この手口は違法ではない。実際にこうした状況に、国土交通委所属キム・テウォン議員は9月11日、「住む場所のない人の不安心理を利用して、チョンセの保証金を最大限に引き上げようとする意図が露骨であり、組織的な勢力によるチョンセ価格の引き上げは住居難を深刻化させている」と苦言を呈するのが精一杯だった。
多額の保証金を扱うチョンセは、そもそも詐欺の被害も多い。実際、詐欺被害を抑えるために「チョンセ保証保険」まで存在している。また、不動産オーナーの中には、解約時に難癖をつけて保証金返却の際に金額を不当に引き下げようとする者も少なくないという。韓国ではチョンセで部屋を借りる場合には、入居前に壁や住宅の周囲の写真をしっかり撮って保管することが当たり前になっており、それも一度に多額の金銭のやりとりを続けるチョンセの弊害といえるだろう。
韓国特有の賃貸制度であるチョンセは、すでにその前提から崩壊している。それでもなぜかいまだに廃止されないという矛盾を抱えている限り、ソウル近郊の住宅難民は今後も増え続けていくのではないだろうか。
(文=編集部)
Business news pick up
RANKING
17:30更新関連記事
2024.10.22 06:00
2024.10.05 06:00
2024.10.04 18:50
2024.10.02 06:00