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たとえば今、ベンチャー企業が成功して上場準備段階になった頃に、大企業で豊富な経験を持つシニア人材が転入して活躍している。短期間に成長した若い企業は、どうしても内部統制や管理体制が弱いので、大きな組織の運営のノウハウを導入するのに役立っている。また、最近ではSOX法などにより組織運営も規格化されているので、転職しても以前の会社での経験を生かしやすい。
ネットビジネスなどでは、若い創業メンバーが短期間でユーザー数とアクセス数を増やしたが、お金儲けに結びつけることに四苦八苦している企業もある。そういう企業に、ターゲットとなるクライアントの業界で長い経験と人脈のあるシニア人材が、クライアント企業が受け入れやすいビジネスモデルを構築して営業、活躍している例も増えている。
そうしたシニアの転職を活発化できるように、デンマークの積極的労働市場政策に倣い、座学、OJT含めた職業的スキル向上のプログラムを充実させるべきだろう。
映画『大学は出たけれど』は、1929年(小津安二郎監督)と1955年(野村芳太郎監督)に製作された。大学を出たけれども就職先がなくて右往左往する人をコメディタッチで描いた映画だ。今から振り返ると、この時代に右往左往した人たちが、日本社会の経済を支えていった。現代のシニアは、「会社は出たけれど」といった心境かもしれないが、そのシニア層が日本を良い方向に変えていくのではないかと期待している。
(文=小林敬幸/『ビジネスの先が読めない時代に 自分の頭で判断する技術』著者)
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