もう1人は「長くなるぞ」と前置きした後で、こう続けた。
「小池って、仕事のできないサラリーマンやOLの典型だよ。何か新しい仕事があると『オレがオレが』『あたしがあたしが』と首を突っ込むけれど、仕事って、有能な人を巻き込まないと成り立たないんだよ。
本来であれば、震災や原発問題で危機管理能力の高さが証明されている枝野氏も希望の党に入党すればよかった。仕事のできる人や有能な人に頭を下げて協力してもらうのが一番いいんだけれど、小池は自分より優秀な人が来るのを嫌がるんだよ。会社にもいるよ、そういうの。プライドだけが高くて、またそういうのが上からの評価が高くてね。でも、最後には仕事として成り立たなくなるから、逃げる。小池も、責任なんて取らないよ。
もし、小池が枝野さんに頭を下げて『お願いです、どうか希望の党に入ってください』と言っていれば、今回の選挙は全然違ったものになっていると思うよ」(40代男性)
「“小池独裁”についていけない」
一時は安倍政権を批判する機運が高まっていたが、選挙戦が始まると「自公で300以上」という議席獲得予想も報道され、最近では自民党も余裕を隠せない。それでも、この日は「立憲民主党や枝野さんには、がんばってほしい」という声が多く聞かれた。
一方で、小池氏や前原氏に対しては「今回の選挙における野党失速の戦犯」「責任を取れ」「腹を切れ」「政治家を辞めろ」という批判も多い。
その小池氏だが、「排除」という表現は「きつい言葉だった」と反省しているという。民進党と希望の党の公認調整を担った玄葉光一郎氏からは、「(排除の)発言がなければ、希望の党は200議席に迫る勢いだ」「(小池氏は)言い過ぎだ。本当に返す返す惜しい」と恨み節も聞こえてくる。
民進党には、再結集の動きが出ている。参議院民進党の小川敏夫氏は「参院は希望の党に合流せず」と語り、民進党出身で希望の党公認の立候補者には、選挙後に民進党に戻る動きもあるという。一度は“解党”を迎えた民進党だが、「“小池独裁”についていけない」「人気もないので、小池氏についていくメリットがない」などの声も上がっているようだ。
そのため、一時は“踏み絵”として安全保障法制や憲法改正などに賛同したが、今や小池氏の意向を無視して「私は憲法違反の疑いのある安全保障法制に反対です」と演説する立候補者もいる。小池氏の求心力はすでに失われており、そうした演説を止めることすらできないのが実情だ。