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よく「思わせぶりな女性が悪い」「女を使って仕事をしている」と、セクハラされる側を責める風土があります。しかしこの場合、アンラーニングしなければいけないのは、「メディアの女性にセクハラしても大丈夫」と学んでしまった「取材を受ける側」となります。ある女性記者は#MeToo騒動のあと、官僚に「セクハラに強い記者を寄越しているのかと思った」と真顔で言われたそうです。
今、霞が関では、さまざまなレベルでセクハラ研修が盛んに行われています。しかし意識の低さは「驚くばかり」とのことです。組織として、職業人として、「セクハラは自分のキャリアと組織のリスクとなり得る」ことを新たにラーニングしていくしかありません。
「女性がいかに気をつけるか」という「される側」への働きかけが多いのですが、やはり「セクハラはうまくかわすのがスキルのうち」ということが根付いた労働環境は、とても生産性が高いとはいえません。そのために優秀な人材がメンタルを病んだり、辞めたりする。これは企業としても損失です。また次世代の女性たちはどんどん逃げて行くでしょう。
セクハラをする側の「アンラーニング」を、ぜひ企業の課題としてほしいと思います。
(文=白河桃子/少子化ジャーナリスト、働き方改革実現会議民間議員、相模女子大学客員教授)
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