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和歌山市、他県のツタヤ図書館を運営事業者コンペ前に視察…出来レース疑惑、文書を廃棄

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

 真相は不明だが、追及しようとしても、補助金が投入される図書館ビル建設の詳細なプロセスは一切公表されていない。図書館ビルの施主である南海電鉄は民間企業のため、情報開示義務もない。

 だが、図書館を中心とした駅ビルの建設には、国と県、市の三者合わせて総額で64億円もの補助金が投入される予定だ。それにもかかわらず、補助金を受け取る南海電鉄が説明責任を果たさないのはおかしいのではないか。

 そこで筆者は、和歌山市に対して「市民図書館について南海電鉄と話し合った内容がわかるすべての文書」について情報開示請求した。すると、回答期限から45日延長された末、約1400枚の会議資料が送られてきたが、そのほとんどが全面黒塗りだった。

 その流れについては、9月12日付当サイト記事『和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答』でも紹介した。

 今回は、この黒塗り文書について、筆者が行った詳細な分析結果を紹介したい。

資料のほとんどが黒塗り

 この写真は、和歌山市が開示した1400枚に及ぶ文書一覧をまとめた表で、いずれも和歌山市と和歌山県、南海電鉄の三者が集まる関係者会議の議事録とその場で配布された資料だ。会議は、以下の3種類に大別できる。

 まず「設計会議」。南海和歌山市駅前に建設される公益施設棟について、基本設計や実施設計について話し合う会議が2017年7月から今年4月までに計19回開かれている。

 これに対して、公益施設棟に入居する市民図書館に限定した基本設計について話し合う会議が「図書館定例会議」。こちらは16年4月から昨年1月まで計13回開催。

 そして、今回の駅前再開発プロジェクト全体について、三者による会議の本流となっているのが「南海和歌山市駅周辺活性化調整会議」(調整会議)だ。14年6月から月1~2回のペースで開催され、これまで69回も行われている。

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 これらの文書には、日時、場所、参加者、協議事項などの基本データから検討内容や議論内容までが詳しく記されているようだが、残念ながら、開示文書で読めるのは冒頭の数行のみ。あとは、見出しと発言者を除いて大半の行が黒塗りされている。

 こうした会議が14年6月から、筆者が開示請求した18年4月までに、都合100回ほど開催されており、議事録とその場で配布された資料を合わせると、1439枚に及ぶ。そのうち全面黒塗りは1027枚だった。

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