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国がこれまで説明してきた8億円の値引きの理由である新たな埋設ごみ2万トンの存在については、数値の計算上の間違い、地歴や地層図、産廃マニフェストの観点から疑問が投げかけられてきた。そして昨年末から国は、ごみが少しだけでもあれば訴訟リスクを負うことになるため、格安の契約を結んだと見解を変更しつつある。しかし、16年の時点では、国は埋設ごみが2万トンあるという主張の下、最大の証拠資料として提出していたのが、今回、小川議員が偽装だと指摘する試掘写真資料である。偽装を疑われた写真資料は2種類あり、その一つが近畿財務局が2016年3月30日に撮影した「17枚写真資料」であり、もう一つが大阪航空局が4月5日に撮影した「21枚写真資料」であった。
この問題を少し整理すると、次のようになる。
値引きの根拠とされたのは、3m以深の地下深部の土壌中に47.1%の割合で交じった2万トンの埋設ごみがあるということだった。実際に新たな埋設ごみが、あったのか、なかったのか。この核心点については、これまでさまざまな角度から、国による値引き根拠の説明の矛盾点が明らかにされてきた。表1を参考にしながら振り返ってみる。
・もともと森友学園用地は住宅地であり、もし土中に47.1%、約50%ものごみが、2万トンが埋まっているということになれば、そこは元住宅地ではなく産業廃棄物の処分場だったということになり、土地履歴からいってあり得ない。
・同土地は過去に国(国交省-大阪航空局)が、埋設ごみの調査を行っていた。大阪航空局が騒音被害を訴える住民から住宅地の買収を完了した後、10年には売却に備えて埋設ごみの状態を調査し(※1)、その調査の結果、3mの深さまでに約680トンのごみが埋まっているとの調査データを発表していた。
・12年、大阪航空局が、今度はボーリング調査を行い、3m以深(より深い)は沖積層などの数百万年かけてつくられた地層であり、埋設ごみがないことが確認されていた(※2)。
・15年5月、国から学園用地の貸与を受けた森友学園は、工事業者である「(株)中道組」(以下中道組)に委託し、校舎建設前に必要となる土壌改良工事を行った。中道組は過去の調査データに基づき、3mまでの深さから調査データを超える約953トンの埋設ごみを撤去していた。この点は、中道組の産廃マニフェストで確認した。(※3)。したがって森友学園用地には、16年の当初において取り除く埋設ごみはなかった。
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