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「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第2部>」第74回

腐敗する巨大新聞社の社長追放計画、次の狙いは二股不倫の一方からの激白?

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「…それはわからない。今後の展開次第ということだな。でも、仮に週刊誌の取材に協力するにしても、暇つぶしだけどな」
「僕は行きがかり上、無碍に断るのもどうかなと、思っているんです。2000億円の新聞社救済ファンドは駄目ですよ。でも、松野と村尾を追放する次の手は頼まれれば協力しようかな、と思っています。暇つぶしでいいと思いますから、どうです?」

 やはり、吉須はすぐには答えず、タバコを取り出した。そして、火をつけ一口吸った。

「そうだな。会長が頼んできた時、俺が暇を持て余していたら、手伝う気になるかもね。でも、今はそういう気にはならんのだな」
「まあ、仕方ないでしょう。吉須さんは端から展望があるとみていませんから…」
「おい、違うぞ。展望あるかどうかは関係ない」
「わかっています。会長の自業自得だっていうことが引っ掛かるんでしょう?」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)

【ご参考:第1部のあらすじ】業界第1位の大都新聞社は、ネット化を推進したことがあだとなり、紙媒体の発行部数が激減し、部数トップの座から滑り落ちかねない状況に陥った。そこで同社社長の松野弥介は、日頃から何かと世話をしている業界第3位の日亜新聞社社長・村尾倫郎に合併を持ちかけ、基本合意した。二人は両社の取締役編集局長、北川常夫(大都)、小山成雄(日亜)に詳細を詰めさせ、発表する段取りを決めた。1年後には断トツの部数トップの巨大新聞社が誕生するのは間違いないところになったわけだが、唯一の気がかり材料は“業界のドン”、太郎丸嘉一が君臨する業界第2位の国民新聞社の反撃だった。合併を目論む大都、日亜両社はジャーナリズムとは無縁な、堕落しきった連中が経営も編集も牛耳っており、御多分に洩れず、松野、村尾、北川、小山の4人ともスキャンダルを抱え、脛に傷持つ身だった。その秘密に一抹の不安があった。

※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。

※次回は、来週5月9日(金)掲載予定です。

BusinessJournal編集部

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