●世界の実力分布
15人制同様、セブンズでもニュージーランド(オールブラックス)が無類の強さを誇っている。昨シーズンまでのWシリーズ14回中最多の11回、優勝に輝いている。女子も強い。13年のW杯セブンズ(モスクワ)は男女ともにニュージーランドが優勝した。それ以外の強豪国は男子では南アフリカ、フィジー、イングランド、オーストラリア、カナダなど。女子はオーストラリア、カナダ、英国、アメリカなどが上位にひしめく。
日本の現状は、男子は昨年の世界ランキングが16位。Wシリーズ参加国16国中では最下位のレベル。女子は昨シーズン、Wシリーズに5大会中2大会に参加し11位タイの成績を残した。
リオデジャネイロ五輪の出場枠(12カ国)に入ることはできるのか。開催国のブラジルにはすでに出場枠が与えられているため、残りの出場枠は11。出場権獲得の条件は、Wシリーズの年間ランキング上位4カ国、世界6地域の予選で優勝した6カ国、各地域の予選敗退国による世界最終予選で優勝した1カ国となっている。
「男女ともにWシリーズのコアチームになれたとしても、年間ランキングで上位4カ国というハードルは越えるのが難しい。アジア予選が大きな関門になるでしょう。男子は今回のコアチーム昇格がアジア勢唯一ということもあり、可能性は高い。女子は最大のライバル中国とどう戦うか。アジア予選を突破する可能性は十分あります」(前出スポーツ紙記者)
●増加する協賛企業
ラグビーW杯2015(イングランド開催)、リオデジャネイロ五輪(16年)、ラグビーW杯2019」(日本開催)、東京五輪(20年)とビッグイベントが目白押しの中、ラグビーに対する企業の視線も熱くなってきた。8月1日には男女の15人制・7人制のラグビー日本代表の協賛スポンサーに新たに5社が名乗りを上げた。
男子日本代表(15人制・7人制)の新オフィシャルスポンサーは東芝と三井住友銀行、新オフィシャルサプライヤーは日本航空。女子日本代表(15人制・7人制)の新オフィシャルスポンサーになったのはセコムと日本航空、新オフィシャルサプライヤーはLIXIL。8月28日には青南商事が、女子日本代表のオフィシャルサプライヤーになり、すでに協賛が決まっていた7社と合わせ13社がラグビー日本代表をサポートしていくことになった。企業がラグビーに関心を寄せるのも無理はない。リオ五輪の後には19年に東京でワールドカップが開かれ、翌20年は東京五輪である。リオ五輪への出場を決めれば、ラグビー日本代表は7人制も含めてすべてのビッグ大会に出場することになる。メディアへの露出も増え、盛り上がっていくことは間違いない。
●サクラセブンズ
ラグビー関係者が特に注目しているのは、女子の7人制「サクラセブンズ」がどこまで大化けするかだ。ラグビー協会は「タレント発掘事業」と称して運動能力に優れたアスリートをセブンズに引き込もうと積極的に情報を発信し、他競技からの転向を勧めている。」