意外に多い、習慣化している無駄な出費
次に確認したいのが、日々の「流動的な出費」です。これは、外食費や交際費、洋服代など、気分次第で増減があるお金のこと。インターネットショッピングで思わず「ポチッ」としてしまうのも、これにあたります。
最近は、現金よりも電子マネーやクレジットカードを使う機会が増えています。しかし、「電子マネーにチャージした日」「クレジットカードの引き落としがある日」「社員食堂のプリペイドカードにチャージした日」などではなく、一律で「出費があった日」として家計簿をつけるのがコツです。また、わざわざ家計簿を買わなくても、手帳に書くかエクセルなどで管理するのもいいでしょう。
家計簿で重要な「振り返って無駄を減らす」
「家計簿をつけたら終わり」という人も多いのですが、つけただけでは、なかなか貯蓄には結びつきません。「家計簿をつけても、まったく貯められなかった」と、早々に失敗体験として感じてしまってはもったいないです。
大切なのは「振り返って、無駄を減らす」こと。「自動的な出費」は一度見直しができれば毎月細かく見直す必要はありませんが、「流動的な出費」は2週間くらい記録したら一度見直してみましょう。そうすると、「コンビニばかり寄っているな」「週末は外食ばかりだ」「洋服を買いすぎかも」「夜はネットショッピングが多い」などと、自分の無駄遣いの傾向が見えてきます。
そして、無駄がわかったら、次回から減らすように心がけてみてください。無駄な買い物をしているお店に行く回数を減らしたり、ネットショッピングをしないで早めに寝たり……。無駄な買い物は習慣化していることが多いので、一度見直すことができれば、その分どんどんセーブできるでしょう。結果的に、月々の貯蓄額に自然と1万円を上乗せできるようになるかもしれません。
また、無駄遣いだけでなく、「この買い物は成功だった」というふうに、うまくいったことも、ぜひチェックしてみてください。同じ「お金を使う」という行為でも、成功例が増えれば、それだけ幸せな気持ちが増えるからです。
以上、忙しい人が無駄を上手に減らすために始めたい家計簿のコツについて、お伝えしました。「細かくつけず」「出費を2つに分けて考え」「振り返る」……ぜひ、この3つのポイントを抑えて、あなたの大切なお金をうまく生かしてみてください。
(文=西山美紀/マネーコラムニスト
『お金が貯まる「体質」のつくり方』 お金が貯まるかどうかは、年収の差だけではなく、お金の使い方や日々の生活習慣などの「体質」にありました。ストレスなく、幸せになりながらお金が貯まる人になるシンプルな習慣と考え方について紹介。人生をより豊かに、自由に生きるための37のコツをお伝えしています。