新社会人に送る、40歳で「貯金+住宅あり」「借金まみれ」になる人の習慣&NG行為
貯蓄習慣は早くつくっておくほうがいい
ビジネスにおいて「もう少しよく考えてから実行しよう」という選択をする会社は、たいていチャンスや伸び代を取り逃します。もしそういう上司ばかりの会社だったら、早めの転職をお薦めします。あなたの成長も、おそらく先送りされてしまうことでしょう。
これと同じで、個人のお金の習慣でも先送りはあまりいい結果をもたらしません。「落ち着いたら貯金できるようにしよう」「年収が増えたら貯金を始めよう」と考える人は、永遠にお金は貯まらないのです。
つまり、新社会人にとっては「今が貯蓄習慣を身につけるための絶好のタイミング」ということです。できれば今月、どんなに遅くとも来月からはお金を貯め始める習慣をつくっておかなければ、何年も「貯金ゼロ」のままになってしまうでしょう。かといって、苦労や我慢や努力をしろといっているわけではありません。
最初に一度だけの手続きがあれば「自動的に貯められる」
お金を「貯める」流れをつくることは、実はそれほど難しいことではありません。必要なのは「最初の一度だけの手続き」です。給与振込日の翌日に、一定の金額を積み立てる手続きをしておけば、勝手にお金が貯まり始めるのです。
一番簡単なのは、給与振込口座となった銀行で、「積立定期預金」をすることです。あるいは会社が財形貯蓄を行っている場合、一般財形を申し込むことで同じことができます。そして「(貯金した分)ちょっと減った手取り」で1カ月過ごすようにしてみると、お金がなんとなく貯まっていきます。
必要なことは「最初の手続き」です。書類一枚を書いて、積立定期預金なら銀行に出す、財形貯蓄なら会社に出す、それだけのことをやるかやらないかだけで同僚とあなたのあいだに「貯められるか貯められないか」の大きな分岐点が生まれるのです。
手取りの10%くらいを貯められる家計を目指そう
具体的な貯金額をいうならば、「手取りの10%」をまずはチャレンジしてみてください。手取り、というのは文字通りあなたの手にすることになる金額のことです。私たちの給料からは、税金や社会保険料が引かれますが、そのあとの金額の1割が貯められると、これはあなたは人生を通じてマネープランで困らないでいられるはずです。
一人暮らしをしていて家賃や生活費にかなり負担がある場合は、5%からスタートしてもかまいません。実家暮らしの場合は10%でいきなり積立を開始してもいいでしょう。
また、最初の給料日は満額ではなく半月分しか給料がない場合もあります(4月1日から15日まで働いたものを25日に払うので、半月分支給とすることはよくある)。この場合は5月の給料から積立を始めてください。
「手取りの9割でやりくり」つまり「手取りの10%を貯める」を継続できると、人生のいろんな局面で余裕が生まれます。結婚を真剣に考えたとき、引っ越しを考えたとき、車や家を買うとき、子どもが生まれたときなど、「お金がないからとりあえず借りる」を回避できるのです。あるいは「お金が借りられないから夢をあきらめる」というような事態も避けられます。
長い目でみて、人生では何度か「お金の問題が人生を左右する瞬間」がやってきます。そのとき、途方に暮れることのないようにしたいなら、ぜひ「積立」を始めてみてください。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)