先述したように、この定期もかつては金利上乗せをしていたが、07年から商品券スタイルに変わった。関西のファンは現物好きということだろうか。ちなみに、観戦チケットプレゼントの特典はない。
iDeCoやつみたてNISAの“応援投資”も登場
「パ・リーグはどうした」との声が聞こえそうだが、今のところ紹介できるのは2チームだ。
【福岡銀行、熊本銀行、親和銀行「ホークス応援定期預金2018」】
募集期間……2018年3月19日(月)~5月31日(木)
預入れ金額……10万円以上1000万円未満
適用金利……スーパー定期1年物の店頭金利で上乗せはなし
特典……抽選で観戦ペアチケット(S指定席)。福岡銀行180組360名、熊本銀行21組42名、親和銀行75組150名。
この3行は同じ「ふくおかフィナンシャルグループ」に属するため、定期の設計は同じだ。こちらは福岡・熊本・長崎の3県を中心に九州全域に展開する地域金融グループで、傘下には地方銀行のほかに証券会社、カード会社なども持つ。フィンテックや投資商品を含めた幅広い金融サービスに積極的という企業姿勢もあってか、今回のホークス応援定期預金には「闘心(投信)コース」が登場している。
こちらは、5万円以上の投資信託の購入や外貨定期預金の預け入れ、積立投資信託の新規申し込み(つみたてNISAも含む)、iDeCo=個人型確定拠出年金の申し込み(福岡銀行のみ)などが対象。特典として、観戦チケットに加え、ホークスの選手とのキャッチボール、選手からのユニフォーム手渡し&ハイタッチ会参加、スーパーボックス(8人部屋)での観戦などが抽選の対象になる。とうとう、応援定期ならぬ“プロ野球応援投資”の時代が来たというわけだ。
また、金利上乗せというか成績に応じた金利を採用するのは、東北楽天ゴールデンイーグルスの本家である楽天銀行だ。
【楽天銀行「勝つぞ!楽天イーグルス応援定期預金」】
募集期間……2018年3月30日(金)~6月29日(金)
預入れ金額……10万円、20万円、30万円、40万円、50万円
預入れ期間……6カ月(2018年6月30日(土)~2018年12月30日(日))
適用金利……楽天イーグルスの2018年シーズンの最終成績に応じて以下の金利を適用。日本シリーズ優勝で年1.0%(税引き後、年0.796%)、クライマックスシリーズ(CS)優勝で年0.5%(税引き後、年0.398%)、パ・リーグ優勝で年0.5%(税引き後、年0.398%)、それ以外の順位は年0.02%(税引き後、年0.015%)
なお、ロッテにも千葉興業銀行の「マリーンズ開幕ダッシュ応援定期預金2018」があったが、こちらは3月30日で終了。また、これまで実施していた銀行も、ほかのスポーツ定期にシフトしている。
プロ野球定期ひとつを取ってみても、時代の流れが透けて見えるようだ。「初心に帰って、球場でひいきのチームを応援したい!」というファンこそ、検討してみる価値があるかもしれない。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
【参考資料】
「広島銀行」
「もみじ銀行」
「横浜信用金庫」
「大垣共立銀行」
「尼崎信用金庫」
「福岡銀行」
「熊本銀行」
「親和銀行」
「楽天銀行」
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