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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

住宅ローン、「税額控除」で逆に儲けられるケースも?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士

制度の適用を受けるための要件は?

 住宅ローン控除は、住宅ローンであればなんでも適用できる、というわけではありません。制度を利用しようとする人の年収や購入した住宅の広さなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

(1)その年の合計所得金額が3,000万円以下の方(所得が3,000万円超となる年は税金を安くすることができません)。

 給与所得のみの会社員が合計所得3,000万円を超える場合とは、年収が3,220万円を超える場合です(収入3,220万円-給与所得控除220万円=合計所得金額3,000万円)。一般的な会社員の方は所得が3,000万円以下ですので、多くの方はこの条件を満たすと思います。

(2)ローンの返済期間が10年以上

 10年以上にわたって分割返済する方法となっている、新築または取得のため借入金等(住宅とともに取得する住宅のための土地等の取得のための借入金等も含む)が対象です。例えば、銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子または0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金は対象外となります。また、親族や知人からの借入金もすべて対象外となりますので注意してください。

(3)住宅の床面積が50平方メートル以上

 この場合の床面積の判断基準は、登記簿に表示されている床面積により判断します。また、マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断しましょう。仮に、店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。また、夫婦や親子で共有する住宅の場合は、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。

(4)取得後6カ月以内に入居し、適用を受ける年の年末(12月31日)まで住み続けていること

 多くの方はマイホーム購入後、その住宅に住み続けると思います。ただし、転勤になってしまいやむを得ず家族みんなで引っ越さないといけなくなったなど、思いもよらずこの条件を満たさなくなってしまうこともあります。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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