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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

転職すべきか判断するための「3つの基準」…今年、人生最高の転職チャンスの年である

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

 もし、その問題が一時的なもので改善可能であれば、今の会社で踏ん張ることも考えられます。一瞬カーッとなって「辞めてやる!」と思っても、今は辞めないほうが得という頭の整理ができれば、これは悪い話ではありません。

 逆に、3つのテーマのうち「2つが×」「3つとも×」の状態なら転職活動を即座に開始してもいいのだと頭の整理がつくはずです。会社への義理立てをする必要もありません。

 悩ましいのは「1つ×だが、残り2つは△か○」というケースです。「職場の人間関係は良好だし(○)、仕事はおもしろくないけどまあまあだし(△)、あとは給料が低いことだけが問題なんだよなあ(×)」というようなケースです。

 この場合、私は「お金」に×がついたときは本気で転職活動、それ以外は様子見しつつ転職活動、とアドバイスします。お金の問題があるのは、それくらい転職の理由になるからです。逆にお金の問題で納得できるなら、今のまま居座りつつ好条件の転職先を探せばいいからです。

 さて、あなたは転職するべき、という結論になったでしょうか。

堂々とコソコソと、転職活動はやる

 すでに働いている人の、転職活動のセオリーは「辞めずに転職活動して、いい案件が出たら初めて辞意を伝える」というものです。まずは会社を辞めてから転職活動、できればちょっとゆっくりしてからやりたい、などと考えるのは“お金のトリセツ”としては大間違いです。そもそも雇用保険は自己都合退職者にすぐ支給されません。届け出日から97日待たないといけないので、実質100日は無収入になります。

 毎月20万円で暮らしているなら60万円、30万円なら90万円がなければ、そもそも暮らしていけませんので、「辞めてから転職活動」は経済的にマイナスです。それに「雇用保険があと10日しかもらえないから、このイマイチの内定を受けるしかない……」のようなかたちで妥協する転職活動になることもあります。これまたオススメできません。

 スマホか自宅のパソコンで転職情報サイトに登録し、面接が必要なら有給を取って受けに行けばいいのです。有給が取れないブラック会社なら仮病を使いましょう。取らせてくれないのが悪いのですから。良心の呵責など覚える必要はありません。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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