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松崎久純「ビジネスパーソンの自己啓発」

部長・課長になれない人が欠落していること…管理職になれる人が特に意識していること

文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表

 たとえば、筆者が普段、業務で深く関わっているグローバル人材育成においては、語学のスキルを持つ人たちと会う機会が多いのですが、そうしたスキルは相当に優れていても、それほどの評価を得られるとは限らないのです。

 スキルのレベルが高いのはよいことなのですが、そこまで上手でなくても十分とか、他にも堪能な人がいるという評価がされてしまい、なんらかの実績をもたらしていても、本人が考えているほどの強みとは捉えてもらえないこともあるのです。

 こうした例も参考にして、自分が強みと思っているものが、組織で実際にどのくらいのインパクトを持つかを熟考してみるべきです。冷静に分析して、その上で自分が強みとすべきことは何かをあらためて考えてみましょう。

どんなスキルを身につけておくべきか

 出世するために強化すべきスキルについて、もう少し考えてみます。

 先ほど挙げた語学のスキルは、テクニカルスキルと呼ばれるものです。テクニカルスキルとは、実務を行うための専門的な技能です。営業担当者が営業成績を上げるためのスキルであり、開発担当者が優れた製品を開発するためのスキルです。こうしたスキルの重要性については、特に説明の必要はないでしょう。

 私たちが意識すべきスキルには、ほかにもヒューマンスキルと呼ばれるものがあります。これはコミュニケーション能力という用語とも似ていますが、管理職としては、リーダーとして部下に接し、チームをまとめるスキルとして要求されます。

 管理職はチームの動機づけや、部下の役割と責任の明確化、各人の目標管理にも責任を持つわけですから、テクニカルスキルを持つだけでは不十分なことは明白です。このような人を動かすスキルについては、早い段階から十分に意識しておきたいものです。

 管理職に求められるスキルとして、(ヒューマンスキルとは別の)経営管理という意味でのマネジメントスキルがあります。開発、生産、営業、財務、人事など、それぞれの部門の目標達成を実現するために必要なものです。

 筆者は日常的に企業の海外赴任予定者と接しますが、日本国内では、自分の担当する部門(たとえば開発部門)の業務だけを心配していればよかった人たちが、赴任先でこれまで関わったことのない部門の管理や、経営管理全般に責任を持つ立場になるため、急いで勉強を始めるというケースに頻繁に立ち会います。

松崎久純/グローバル人材育成専門家

松崎久純/グローバル人材育成専門家

サイドマン経営代表

企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象にグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』(光文社)、『英語で学ぶトヨタ生産方式 エッセンスとフレーズのすべて』(研究社)、『イラストで覚える生産現場の英語』(ジャパンタイムズ)など多数。

Twitter:@HardLifeEasy

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