ケータイ、キャバクラ、株含み益…失敗する経営者の“条件”
――今後については、どのようにお考えですか?
塩野 私自身も、投資銀行からITベンチャーを起業し、コンサルティング会社、ライブドア、そして現在のIGPIと転職をしてきましたが、その中で感じたのは、「優秀な人は売るほどいる」という現実でした。だから、常に焦燥感があった。優秀な奴らとは一線を画すような経験を得ようとしたんです。そういう意味では、私はビジネスパーソンですが、ロースクールを卒業しているのも差別化としての経験の一つです。今後も、世の中の優秀なインテリマジョリティとは一味も二味も違うアイテムや経験を得て、「差別化」を図っていきたいと思っています。
――「リアルスタートアップ」は、どのような人に読んでほしいですか?
塩野 まずは就活生、そして入社1~3年くらいの社会人の方ですね。もちろん、このほかの年代の方もOKです。伝えたかったのは、「仕事ってつまんないな」と思ったら、つまんないんですよ。でも、1日の時間の中でかなりの時間を取られている。そこを「会社への時間売り感覚」で、苦役であると割り切るのは、キツイかなと思います。それならば、若い人達に「やるなら今だよ」と言いたい。諸外国を見渡せば、毎日が戦争状態のところもいっぱいあるし、国内でも、極端な貧困とか出てきています。政府や「お上」が何かしてくれると思う前に、自立しましょうということを、本書を通じて、私が見聞きし、体験したさまざまな実例を紹介しながらゆるく提案しています。●塩野誠(しおの・まこと):経営共創基盤 パートナー/マネージングディレクター
ゴールドマン・サックス証券を経て、評価サイト会社を起業、戦略系コンサルティング会社のベイン&カンパニーを経た後、ライブドアにてベンチャーキャピタル業務・M&Aを担当し、ライブドア証券取締役副社長に就任。現在は経営共創基盤(IGPI)にて大企業からスタートアップまで、テクノロジーセクターの事業開発、M&Aアドバイザリーに従事。著書に『プロ脳のつくり方』(ダイヤモンド社)がある。慶応義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士。