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森秀明「『itte』の経営学」

利益を上げるために「なんでもやる」人、変化に必死で抵抗する人~『マッサン』と経営者

文=森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント

 この言葉には、とても崇高な決意を感じませんか? 従業員を食わす、という社員に対する使命、メイドインジャパンのウイスキーを広める、という日本や世界に対する使命を感じます。本物の経営者は、腹が据わっている、覚悟が決まっていると言い換えてもよいかもしれません。

 エバーノートCEOのフィル・リービンも、起業家を志す真っ当な理由の一つとして「世界を変えたい」という動機があると言っています。成功する経営者というのは、正当な使命を背負う覚悟があるのです。

 冒頭の図に示した通り、経営者とは「将来の企業の存立基盤を考え、変化をつくり出し、10年単位の時間軸で戦略を形成できる人物」です。このような経営者には、少なくとも次の3つの素養が備わっているのです。

(1)(専門知識+情熱)+ 結合力
(2)評判・批判に対する達観した態度
(3)使命感と覚悟

●「変化」に対する態度で、経営者の本物度が透けて見える

 ご存じのように、鳥井氏は「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」精神を打ち立てた人です。彼は社員に挑戦を促しました。『マッサン』の中でも、「Life is an adventure.(人生とは冒険だ)」というフレーズが何度か出てきます。(マッサンとエリーの養女エマも言ってましたね)

「やってみなはれ」も「adventure」も「変化」を伴います。やってみるためには行動が必要で、自らが成長=変化しなければ挑戦できません。また、挑戦するためには周りの人々の協力も必要で、その結果、組織に影響=変化を及ぼします。その挑戦が社会的に意義あるものとなれば、世界の未来に貢献できるような価値=変化を生み出すかもし
れません。

 日本の多くの企業の事業計画書の中には、「変革」や「改革」という言葉が躍っています。そのような「変革」や「改革」に直面したとき、社員の反応や行動は大きく3つに分けられます。

 それらは、(1)「変化」をつくり出す人、(2)「変化」に呼応できる人、(3)「変化」に抵抗する人の3種類です。

 言うまでもなく、(1)の「変化」をつくり出す人とは、立派な経営者そのものです。『マッサン』の例でいえば、欣次郎や、北海道にやって来て大きく成長したマッサンです。

(2)の「変化」に呼応できる人は、柔軟に考え、変化に対応した行動がとれる人です。企業でいえば、「変革」や「改革」を唱える経営者を支えることができる人物、またその推進者となれるような人物です。

森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント

森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント

一橋大学経済学部卒、慶應義塾大学大学院修了。ボストン コンサルティング グループ、ブーズ・アレン・ハミルトンなどの外資系コンサルティング会社を経て現職。企業や組織への経営コンサルティング活動とともに、経営者へのアドバイザリー業務を行っている。WE HELP COMPANIES CREATE THEIR FUTURE STORIES. がミッション。著書に『外資系コンサルの資料作成術』『外資系コンサルの3ステップ思考術』(ダイヤモンド社)がある。
株式会社 itte design group

Twitter:@ittedesigngroup

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