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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

物忘れ顕著化や認知症の兆候、まずこれをやるべき!テレビやゲーム、脳機能低下の恐れ

文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長
物忘れ顕著化や認知症の兆候、まずこれをやるべき!テレビやゲーム、脳機能低下の恐れの画像1「Thinkstock」より

 記憶の仕組みには次の3段階があります。

(1)見聞きして、それをかみ砕き、自分の情報に変える
(2)その情報を記憶する
(3)必要な時にその情報を引き出し活用する

 物忘れとは、(3)がうまくいかない状態です。だから時間をかけたりヒントがあれば、思い出せるのです。認知症は(2)が壊れている状態、記憶障害は(1)が壊れている状態です。

 年を取って人生が長くなると、経験した情報が膨大になり(2)のメモリーが不足していくのです。そのため不要な記憶は消去し、新しい記憶のためのメモリースペースを開けなければなりません。飲食店の電話番号や、仕事で一度会っただけの人の名前、1カ月前の夕食のメニューなどを忘れることが、記憶力向上のためには必須なのです。

物忘れが顕著になったら?

 では、物忘れが顕著になった場合、最初に何をすればいいでしょうか?

 記憶はちゃんと残っているので、それを引き出す努力をすればいいのです。そのためには、以下が重要です。

(1)人に教えてもらわない
(2)もういいやと、あきらめない
(3)スマホ、ネット、辞書など、なんでもいいから調べる
(4)人からヒントをもらう
(5)思い出したら、そのことをメモして再確認する
  
 メモは紙に字を書いてもよいし、スマホのメモに入力してもよいですね。

 私が認知症予防の生活術として患者さんに対して勧めていることは、以下です。

(1)新聞やテレビのニュースを、パートナーに解説してあげる
(2)年賀状をパソコンではなく手書きで出す
(3)孫に絵手紙を送る
(4)同窓会や町内会の行事に参加する

 ちなみに、私が個人的にやっているのは、スマートフォンのメモに「忘備録」というページをつくって、気になることは片っ端から入力しておいて、あとで調べてから消去するという行為です。

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「ガンにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。

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