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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第3回

大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ

文=へるどくたークラレ

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post_886.jpgHPの可愛らしいデザインを見ると女性向けなの?
(「エスエス製薬HP」より)

 オイッス!

 キッチリ寝てますかぁ? 本当に安眠できてますかぁ? 毎晩、羊数えていませんかぁ?

 会社に学校と、ストレスフルでドレッドフルな現実社会、寝ている間くらいは安らかに休みたいもの。とはいえ、いざ寝ろと言われると意外と寝れないことも多く、さらに考え事なんて始めると睡眠時間がどんどん減っていきます。

 そういった潜在的な不眠を抱える人が多いのか、睡眠補助薬では2003年に販売された「ドリエル」が、製造販売元・エスエス製薬のドル箱薬として今や薬局で不動の地位を確立。その後、追い商品も10を超え、睡眠補助薬の棚が出来上がっている薬局も少なくありません。

 さてさて、問題なのは、エスエス製薬のドリエルだけでなく、グラクソ以下略の「ナイトール」も大正製薬の「ネオデイ」も全部ひっくるめて1種類の成分しか含まれていないこと。これに気が付いている人は案外少ないのでは?  そしてその成分が古くからアレルギーの薬として普通に使われてきたことを知っている人はより一層少ないといえます。

 今回はそういった睡眠補助薬の話に加えて睡眠についてちょっと見直してみたいと思います。

 まーぶっちゃけ、睡眠補助薬なんかバカ高いの買わんで、同じ成分で安い薬があるからそっち買ったほうが得だよって話なんですが……。

●まずは商品を紹介

 いつもなら最後のまとめとして挙げている商品レビューですが、今回は進行の関係上、オチから話を進めます。

 下の表を見てもらえればわかるように、1回の使用量である50mgの価格は、概ねどっこいどっこい。若干ドリエルが高く見えるけど、セールで安く売られることもあるし、実際の価格差は薬局薬店によってまちまちなので、なんとも比較対象になりずらい。1回使用量は50mgだから12錠入りでも結局は6回分。故に各社、差別化をはかろうとパッケージなどでがんばってはいるものの中身はてんで同じ。どれを買っても何も変わりません。

ドリエル2錠あたり50mg 12錠入り 1680円
ネオデイ2錠あたり50mg 12錠入り 1200円
マイレスト1錠あたり50mg 6錠入り 1250円
グ・スリーP1錠あたり50mg 6錠入り 1280円
おやすみーな2錠あたり50mg 10錠入り 1500円
(※価格は販売店によって数百円の誤差があります)

 で、同じ成分(ジフェンヒドラミン)を含んだ睡眠補助薬以外の薬の価格を見ると、先の表から計算をする気が失せる理由がわかります。例えば……。

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

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