「Thinkstock」より
マクロビオティックは、今では多くの分派がありますが、玄米を主食とし、野菜や漬物や乾物を副食とするのが基本です。食材は一部ではなく全体を食べる、極力住んでいる土地の食材だけを食べる、また食材を陰性と陽性に分類してバランス良く食べるという考え方をします。
この理念は、かなり健康的に見えます。しかし、一部疑問のある主張も見受けられます。例えば、体を冷やす食べ物や食べ方を避けるように教えています。この考え方自体は、体の免疫力を高めるために有用で異論はありませんが、果物や生野菜を控えるようにとの教えには反論したくなります。砂糖やコーヒー、唐辛子などの刺激物は、体を冷やす効果があるので、避けるべきですが、果物や生野菜は必ずしも体を冷やしません。
冷蔵庫でキンキンに冷やした果物や生野菜をそのまま食べれば、確かに体は冷えるかもしれませんが、常温なら差し支えないはずです。それどころか、果物や生野菜を食べることによって多くの健康上のメリットがあります。
生野菜は、サラダ以外では食べにくく、あまり量も多く取れないという意見を耳にします。そのため、煮る、蒸す、ゆでるなど、過熱して食べることを推奨する料理研究家も多くいます。しかし、野菜によっては加熱することで健康上のメリットが減少、もしくは消失してしまうこともあります。
例えば、ビタミンCなど熱に弱い栄養素は、加熱処理によって大幅に減少します。また、酵素もほとんど失われてしまいます。従って、ミネラルや抗酸化栄養素などが中心の食材や、生で食べると毒性があるものを除き、生で食べたほうがいいのです。
さらに、果物や生野菜によって酵素を摂れば、体の代謝がよくなり血流促進効果も期待できるので、冷えが改善されて体が温まると考えられます。
ただし、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売られているカット野菜は、変色を防ぐために薬品に漬けられ栄養素が抜けているうえ、切ってから時間がたって酸化しているため酵素はまったくありません。決して買ってはいけない食品です。
酵素は、空腹時に摂ると特に効果が高いことがわかっています。そこで、朝一番に果物や生野菜を食べると効果的です。