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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

世界各国、サミットで協調して中国排除を決定…中国による他国の特許侵害や雇用喪失を撲滅

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あらゆる面で進む“中国追い出し”

「(5)質の高いインフラ」。これは、附属文書として「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」があるが、簡単に言えば、最低限の品質を満たさないインフラに関しては、政府開発援助(ODA)や世界銀行、国際通貨基金(IMF)などの国際投資としての輸出を認めないというものだ。

 水道でいえば、日本が求めている国際基準は「蛇口をひねり、そのまま飲める」というものだが、フランスの水企業が求めているのは「そのままでは飲めないが、煮沸すれば飲める」というものだ。

 このどちらが国際基準になるかはまだわからないが、鉄道などでも同じことであり、すべてのインフラに対して最低限の品質を決めていく。そして、基準を満たないものについては、公共入札に参加させない。

 例えば、アジア開発銀行(ADB)や世界銀行の投資案件は基本的に公共調達だが、その際の指名基準を厳格化していくということだ。そのため、これまでのように中国が大金を積んで受注を強奪するようなことはできなくなる。

 また、国際的なインフラ開発において、現地雇用を中心としたプロジェクトでなくてはならない。中国のように、インフラ輸出の際に大量の中国人を現地に連れていき、現地の雇用にまったく貢献しないようなやり方は許されないわけだ。この合意に関しても、事実上の“中国追い出し”といえる。

 次に、「(8)サイバー」だ。これも、「サイバーに関するG7の原則と行動」という附属文書があるが、中国をターゲットにしたものに違いない。すでに、ZTEやフーファイなど中国企業の通信端末は「安全保障上のリスクがある」として、アメリカでは事実上の使用禁止になっている。開発に中国の軍部が関与している疑いがあるため、セキュリティ上の問題に懸念があるからだ。今後は、そういったものの排除もより進んでいくだろう。

「(9)腐敗対策」だが、まず「G20ビジネスサミット(B20)」というものがある。これは、G20(20カ国・地域)のグローバル企業の幹部や民間団体で構成される組織で、反汚職活動などを推進する働きがある。

 G20議長国の企業が主導するのが慣習だが、今年は中国が議長国になったことで、このB20の活動が停止してしまった。中国企業が参加を拒否したためといわれているが、「腐敗と戦うためのG7の行動」という附属文書があるように、「G20で腐敗対策をできないのなら、今後はG7で確実にやっていく」という意思の表れであり、中国の追放と同義である。

 すでに、賄賂や詐欺行為を理由に中国のインフラ関連企業数社が世界銀行のブラックリスト入りしており、同行のプロジェクトへの入札が禁止されているが、今後も“中国排除”の動きはあらゆる面で進むだろう。次回も、引き続きサミット首脳宣言について見ていきたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

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