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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

マンション高騰、一般人が手の届かない水準に…築浅の中古「掘り出し物」が安く買える!

文=山下和之/住宅ジャーナリスト

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 藤色が東京都の新規登録時の平均価格で、黄緑色が成約価格の平均になります。新築登録時価格が上がり始めて、中古の割安感が強まった14年の後半には、この新規登録時価格と成約価格の差がほとんどなくなりました。つまり、中古マンションを売りに出せば、ほぼ新規登録時の価格のままで売買が成立したことを意味します。市場環境は完全に売主有利の売手市場であり、買主が指し値を入れる余地はありませんでした。

新規登録時価格と成約価格に15.7%もの差

 しかし、15年の半ばあたりから新規登録時の価格成約価格には大きな乖離がみられるようになってきました。16年4月をみると、首都圏全体では新規登録時価格が55.19万円に対して、成約価格の平均は46.50万円です。成約価格は新規登録時価格より15.7%も低くなっています。東京都だけでみると、この乖離は13.9%に縮小しますが、それでも新築登録時価格と成約価格には1割以上のギャップがあるわけです。

 つまり、売主の指し値が効くようになっているのです。売手優位の売手市場から、買手が十分に値引き交渉できる買手市場に移行しているといっていいでしょう。ですから、中古マンションは売り出し価格で買ってはいけません。価格交渉を行えば物件によっては1割以上の値引きが可能になるはずです。言い値で買うのは愚の骨頂といってもいいかもしれません。

新築マンションは簡単には値引きできない

 中古マンションはほとんどの場合、売主は個人であり、売りに出すには、売りに出すだけの理由があります。一定期間内に売れないと次の買い換えなどができないといった事情があるのがふつうです。ですから、比較的交渉しやすいのですが、新築はそうはいきません。

 特に、大手は体力にものをいわせ、売り出し価格で売れるまで多少時間がかかってもOKとするところが少なくありません。中古のように値引き交渉は簡単ではありません。本音をいえば、値引きどころか土地の仕入れ値や建築費の高い状態が続いている以上、販売価格をもう一段階引き上げたいのです。でも、それではますます売れなくなります。

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