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日向咲嗣『「無知税」回避術 可処分所得が倍増するお金の常識と盲点』

「58歳・正社員・営業職・月給35万」条件の職探しは相当厳しい理由…間違った再就職活動

文=日向咲嗣/フリーライター
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 上から受理日の新しい順に並んでいますので、「職種欄」のところだけザーッと下へ見ていき、そこに「営業部長候補」とか「営業課長候補」「営業マネージャー」と表記されている管理職系の求人だけをピックアップ。たとえ数百件あっても、該当する求人はごく限られていますので、わりと短時間でチェックしていけます。窓口で申し出ていただければ、職員専用端末で「営業課長」「営業部長」の記載がある求人のみ出すこともできます。

 この年代ですと、ご本人が「管理職にはこだわらない」とおっしゃられても、一営業部員としての採用のほうがむしろ難しいと思います。

 そうやって見つけた求人のなかから、希望条件に近いものを印刷して窓口に持ってきていただければ、あとは私どもが個別に求人企業に連絡して感触を確かめますので、そのなかで反応がよいところに応募していただくといった流れになるでしょう。

キャリアを生かした転職活動

【ケース2】

 精密機械部品メーカーで人事、総務、経理・財務担当。52歳。出向していた関連会社が事業を縮小したため退職。これまでのキャリアを生かして再就職を希望。

ハロワ職員のアドバイス

 この方の場合は、まずはご希望通りに検索を進められてもよろしいかと思います。ケース1の方と比べますと、年齢が少しお若いのと、職種の幅が広い点が有利です。

 年齢について、企業側としてはどうしても「あと何年活躍してくれるのか」との観点からみてしまいますので、50代後半に近づくと数年で成果を挙げるのは難しいと判断されがちですが、50代前半であれば、そのような心配はいらないでしょう。

 ただ、ケース1の方以上に、管理職系を狙うことになりますので、それなりに難しさがあることに変わりありません。

 求人検索は、事務職の管理職と細かく絞り込んで検索したくなりますが、最初はできるだけストライクゾーンを広くしてみていくことが重要です。事務なら事務で探しながら、ケース1の方と同じように、管理職系を求めているところに応募するのが基本スタンスです。

 具体的な検索条件の入れ方としては、職種は「事務的職業」を選択して、「詳細」から「総務・人事」「一般事務」「経理・会計・財務」を指定します。場合によっては「企画・調査」や「営業事務」も入れておくといいかもしれません。

「一般事務」は、若い女性を想定した求人が多いのですが、まれに管理職系の求人も含まれていますので外せません。事務を志望する人の共通項目といっていいでしょう。

 複数キャリアのなかで、どれを優先するかはご本人次第です。直近のキャリアを優先するのが原則ですが、経験年数が長いものや、自分がいちばん得意な分野を優先されるといいと思います。

 絞り込み条件は、52歳の方でしたら就業場所よりも賃金を優先。一度希望通り賃金を入れてみて、ヒット件数を確認してみてください。

 ケース1の方と違って、応募できる求人自体はたくさんあります。ところが、実際に応募しても、なかなか書類選考を通過しないのが難しいところですね。そんなときは、履歴書と職務経歴書を窓口まで持ってきていただければ、添削させていただきます。

 多くの方に共通するのは、ひとつの企業に30年とか40年勤務して退職された方は、これまで応募書類を書いたご経験がまったくないことです。ご自分では「これでいい」と思われていても、客観的にみるとアピールが足りないケースがめだちます。その点を改善されると、書類選考を通過する率はアップしていくはずです。

 自分の条件に合う求人がどれだけあるのかと疑問に思ったら、在職中から一度ハローワークで求人検索してみてはいかがだろうか。
(文=日向咲嗣/フリーライター)

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