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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

毎月分配型投資信託なんて、やってはいけない? 安全に銀行預金よりは儲かる方法

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
毎月分配型投資信託なんて、やってはいけない? 安全に銀行預金よりは儲かる方法の画像1「Gettyimages」より

 マネー雑誌でもよく特集される、人気の毎月分配型投資信託。果たして資産運用の手段として魅力的なのか、不利なのか。
 
 毎月分配型投信は、文字通り毎月決算をして分配金を出すという手間がかかるため、ほかの投信と比べるとコスト面では不利になります。また、分配金を「再投資」するのではなく「受け取る」ことを選ぶので、複利の効果が働きませんから(再投資される商品もあります)、資産総額が大きく増えるわけではない。そのためマネー専門家の間では評判がよくありません。でもそれは当然で、「貯めて増やす」という目的にはまったく合わない商品だからです。

 しかし、視点を変えて「今すぐ使えるお金を増やすための商品」と考えるとどうでしょう。「毎月受け取って使う」という目的ならば、適した商品になり得ないでしょうか。つまり、稼いだお金を老後の備えとして証券口座にしまい込むのではなく、今を充実させるために使おうという発想です。

 もちろん分配金は保証されているわけではなく、増えたり減ったりしますので(減るほうが圧倒的に多い)、将来にわたって必ずしも見込んだ収入が得られるとは限りません。それに、多くの毎月分配型投信に特有の問題は、自分が投資したお金を取り崩して分配金をもらうという、いわゆるタコ足配当になっていることです。この場合、基準価額がどんどん下がっていき、ただ貯金を取り崩しているのと同じということになります。

 しかし、こうした問題があっても、たとえば高齢者に多い「何歳まで生きるかわからず不安だから、お金を使えない」「なまじまとまったお金があるために、投資詐欺などに遭いやすい」という問題を解決できる可能性があります。毎月、金額は多くなくても給料や年金のように分配金が入ってくれば、その範囲内で計画的に生活することができます。タコ足配当で目減りしたとしても、それで安心した生活設計ができるならば、ひとつの方法としてはアリではないでしょうか。

 また、保有期間によっては分配金で投資額を賄える可能性もあります。たとえば、もし分配金利回り20%の商品が5年続けば、投下した自己資金はすべて回収したことになり、あとは基準価額や分配金がいくらになろうとすべて儲け。逃げ切ることが可能です。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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