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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

私が「子供に牛乳やサラダ油を摂らせてはいけない」といい続ける理由

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

食事はオーガニックを基本とすべき

 さて、アスリートを目指す子供たちのお母様方から、「どんなものを食べさせたらいいのか、というご質問をよくいただきます。それについてのセミナーも企画中ですので、実現した暁には、ご興味をお持ちの方はご参加いただければと思います。筆者がまずお答えするのは「主食である穀物と豆、そして野菜をオーガニックに替えて食べさせてください」ということです。

 次にお願いするのは、牛乳とスポーツドリンクを飲ませないようにすること。3つめは、サラダ油やマーガリンなどのトランス脂肪酸を全廃して、良質な油に替えること。ほかにも、生の食品を食べさせること、海藻や小魚類を頻繁に食べさせること、きのこを食べさせることなど、細かいことはたくさんありますが、どれも実践可能なことばかりで、少しだけ努力すれば十分に達成できます。

 一流の選手になるためには、強い体づくりがもっとも重要な要素です。それを怠っては、立派な選手になれません。なれたとしても、長く競技を続けることはできません。体づくりのために絶対的に必要なのが、良質な食事です。

 良質な食事とは、筆者がこれまで本連載の中で語ってきた内容です。それを日々の食生活に少しでも取り入れていただければ幸いです。

 私たちが食べるものは、基本的にオーガニックであるべきです。それは実現不可能な世迷言などではありません。今あらためてはっきりと言えることは、時代は間違いなくオーガニックの方向に舵を切っています。これまでの数十年間で、農薬と化学肥料まみれの野菜や穀物や豆などを食べ続けてきた結果は、私たちの社会が不健康で病人ばかりという結果になって表れているのです。

 そのことに気づいたアメリカやヨーロッパ各国では、それぞれの方法でオーガニックを奨励する動きが出てきています。アメリカ最大のスーパーマーケットチェーンでは、2020年までにネオニコチノイド系農薬を段階的に排除するとの方針を打ち出していますし、オーガニック食品業界全体が急成長していて、投資家たちもオーガニック関連の企業を優良な投資先として注目しています。アメリカの全家庭のうち81%が、自身の健康を考えてオーガニックフードを購入していると答えているそうです。

 つまり、オーガニック食品は今や、富裕層たちが趣味的に購入するものではなく、ごく普通の消費者が当たり前に求めるものになってきているということです。

 現在、日本は世界第3位の農薬使用大国で、耕地1ヘクタール当たりの農薬使用量は12.1kg(2010年)です。これはアメリカの2倍、ヨーロッパ諸国の3~10倍にも及びます。しかし、農林水産省が発表している「有機農業への取組に関する農業者の意識」によると、「条件が整えば取り組みたい」と答えている農家の数が49%にまで上がってきています。

 これは光明です。生産者の意識はすでに変わっているのです。つまり、消費者が三無主義から脱却し、自分が食べるもの、家族が食べるものを正しい基準で選択するようになれば、良質な野菜や穀物や豆などを生産してくれる農家はたくさんいるのです。

 開催が迫ってきた東京オリンピックですが、アスリートたちからはオリンピック開催時に使われる食材に対して、抗議の声が上がっています。これを恥ずべきことだと考える日本人がどれほどいるでしょうか。日本の食事が素晴らしいと評価される一方で、食材は最低とのレッテルが貼られようとしています。筆者は、これを本当に恥ずかしいことだと嘆いております。

 これはオリンピックの開催にかかわる人たちだけの問題ではありません。私たち、すべての国民が真剣に受け止め、是正していかなければならないことだということを、ひとりでも多くの方に気づいてほしいと、切に願います。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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