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参院選後に「野党分裂→政界再編」か…連合会長が放った“内ゲバ”ツイートが波紋

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徳川、榛葉両候補のHPより

 安倍政権の行方を占う参院選の投開票(7月21日)まで残りわずかになった。マスコミ各社の序盤情勢調査によると、与党の自民・公明両党が改選議席「124」の過半数を確保する見通しだ。憲法改正の国会発議に必要な議席数の割合“3分の2”にも手が届きそうな勢いで、安部一強は参院選後も続きそうだ。

 大手新聞社で野党を担当する政治部記者は、そんな情勢について苦々しい表情を浮かべる。

 「選挙戦は、当初からしらけムード一色です。投票率は前回を10%くらい下回るんじゃないかって深刻な予測すら出ている。これでは、野党の頼みの綱になっている無党派層の投票は見込めません。せっかく1人区に統一候補を立てたのに、野党の統一戦線は崩壊です。実際、これまで封じ込めてきた各党内の“恩讐のマグマ”が噴き出しかねず、参院選後には野党再編のうねりが出てきそうなんです」

 そんな野党陣営の崩壊の兆しを感じさせる動きがすでに吹き出しつつある。あろうことか、野党最大の支援組織といわれる労働組合の全国組織「連合」のトップ、神津里季生会長がつぶやいた一言が、その狼煙を上げさせたのだ。

 それは今月3日の夜のこと。ちょうど3期目の続投が決まった神津会長が自身のツイッターで呟いた。翌朝に参院選公示日を狙い澄ましたかのようなタイミングだった。

<あまり言いたくなかったのですが…徳川の末裔をかつての仲間に競合させてきたことには心底がっくりきました>

 これは文字通り、参院選静岡選挙区(定数2)の野党統一候補と目されていた国民民主党の重鎮、榛葉賀津也・参院幹事長に対し、立憲民主党が「徳川宗家19代目」の徳川家広氏を刺客として擁立したことを指している。静岡選挙区は神津会長の指摘を待つまでもなく、野党同士の内ゲバに突入しているのだ。

 「候補者の一本化が実現しなかったのは、先の通常国会の運営をめぐるいさかいが原因なんです。安倍政権と対話路線を歩みたい国民参院の榛葉氏と、徹底抗戦を唱える立憲参院の福山哲郎、蓮舫両氏との関係が決裂しました。福山氏たちは『榛葉を落選させる』と息巻いて徳川氏を刺客に送り込み、一方の榛葉氏側も週刊誌を動かして反転攻勢に出ました。もはや収拾が付かない状況です」(野党関係者)

 確かに「週刊文春」(7月11日号)は「立憲民主党 徳川家19代目の245万借金トラブル」と題する記事を掲載している。週刊新潮も同じ発売日号で「徳川家19代・家広が立憲民主党から出馬もお膝元東照宮は『応援できない』」と書いた。大手週刊誌が同時に徳川バッシングを行う珍しい現象が起きている。

 「榛葉陣営が仕掛けたという話を聞いている。そうでないと、全国的には無名の徳川氏を両誌が同時に狙う理由はない。見にくい内ゲバのなれの果てです」(同)

自民党と国民民主党の親密度

 話を連合会長のつぶやき騒動に戻そう。深夜のツイートから一夜明けた参院選の公示日、このツイートに気付いた野党や労組の各方面から「選挙戦が始まったばかりなのに、野党を支える大票田のトップが自ら水を差すようなマネをどうしてするのだ!」と反発を招いた。

 神津会長が静岡の“内ゲバ”にほとほとあきれていた事情はあるにせよ、やはり大人げないつぶやきだったのは間違いない。いや、むしろ確信犯と言ったほうが適切なのかもしれない。

 というのも、神津会長は労組のなかでも右派に属する民間企業「新日本製鉄労働組合」出身。どちらかといえば国民民主党に近いといわれてきたからだ。一方の公務員で構成する左派の「全日本自治団体労働組合」(自治労)や自治労が支援する立憲民主党とは反りが合わないというのが定説だ。

 労組事情に詳しい大手紙社会部デスクは「神津会長率いる連合執行部は、安倍政権が掲げた働き方改革をめぐって左派とトラブルになった。あれがボタンの掛け違いの始まりだったんだ」と振り返り、連合内の内情を解説する。

 「そもそものきっかけは2015年に起きた、連合ナンバー2の事務局長人事だった。神津会長は、東レなどの繊維労組でつくる連合内の最大勢力『UAゼンゼン』の逢見直人会長を後継指名し、事務局長就任が内定していた。ところがその矢先、逢見氏が密かに首相公邸に通い、安倍首相と密会していたことが発覚。左派から『逢見が首相と手を握った』と猛攻撃を受けたんだ。それ以降、逢見氏の会長人事は凍結され、やむなく神津氏が会長を続投するという状況が生まれている。そういう意味では、野党の“内ゲバ”の遠因をつくったのは、神津会長自身なのかもしれない」

 そしてこの“内ゲバ”は、もはや修復不可能なところに行き着いたようだ。7月13日付の地元紙「静岡新聞」や週刊誌が相次いで伝えたところによると、自民党の有力後援企業である自動車メーカー「スズキ」が国民の榛葉氏の支援に回り、同社の鈴木修会長自ら榛葉氏の街頭演説に姿を見せる動きを見せたのだ。鈴木会長は榛葉氏の演説を聴き終えると、取材陣に「自民党の牧野氏は1位だから(榛葉氏の)2番目の当選を祈っている」と語り、関係企業を挙げて榛葉氏を支援する方針を明かした。

 静岡新聞の記事は、この榛葉氏支援の動きは「首相官邸からの依頼だ」とする自民党関係者の言葉を紹介しており、榛葉氏がもはや安倍政権の補完勢力として選挙戦を戦っている実情を白日の下にさらしている。

 かくして、野党の統一戦線ははかなくも崩れ、国民は自ら瓦解。参院選後は自民党の補完勢力として新党結成……などというシナリオが見えつつあるのだ。
(文=編集部)

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