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韓国、日本に元徴用工への賠償求める財団設立…文政権の異常な反日政策に反対デモも

文=姜英順/ジャーナリスト
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 韓国で10月16日、第二次世界大戦中に日本企業の募集や徴用により労働した元労働者(徴用工)への支援や、アジアの平和定着に向けた民間レベルの後援財団「アジア平和未来財団」(仮称)を設立すると発表された。同財団の設立準備委員会はソウルで記者会見を開き、財団設立計画を発表するとともに市民に対して参加を呼びかけた。さらに、同財団は日本政府に対しても、謝罪と賠償をするように働きかけていくという。

 準備委員会委員長の孫鳳鎬(ソン・ボンホ)ソウル大名誉教授は、「苦痛を強いられた強制徴用被害者を放置するのは社会正義に反する」と強調し、日本政府による補償を訴えると同時に、民間レベルでも徴用工などへの後援や市民への啓発活動を行うべきだとして、設立に至った経緯を説明した。

 この財団設立発表を受け、従軍慰安婦問題解決を目的として2015年の日韓合意に基づいて設立された「和解・癒やし財団」を思い浮かべた人も多いだろう。癒やし財団に対して日本政府が10億円を拠出し、それを元慰安婦や遺族への補償金に充てることで、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」として合意を交わしたものだ。

 だが韓国は今年7月、日本側に説明することなく癒やし財団を解散した。韓国では、日韓合意は日本側の責任が不明瞭で、補償が不十分だとする国内世論が高まり、合意の破棄を目指す動きが活発化している。

 そのため、徴用工問題でも財団を設立して日本にお金を出させようとのもくろみがあるのではないかと指摘する向きが多い。しかも、仮に日本企業が財団に対して基金を拠出したとしても、最終的な解決には至らないだろうと冷めた見方がなされている。実際、韓国は徴用工に関する見解を今までに何度も変遷させてきた。

徴用工問題の解決を先延ばしにする韓国

 徴用工問題については、1965年の日韓請求権協定、正確には「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」において、両国が「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認」(第2条)している。

 だが、請求権協定締結後も韓国ではたびたび日本政府に対して補償と謝罪を求める動きが起きた。そして韓国の外交通商部は2009年8月14日に、日本政府に対して「請求権を行使するのは難しい」との見解を示した。

 その理由については、「日本に動員された被害者(未払い賃金)供託金は請求権協定を通じ、日本から無償で受け取った3億ドルに含まれているとみるべき」としている。つまり、日韓請求権協定により、徴用工らに支払われるべき賃金を韓国政府が日本から受け取っており、韓国国民個人の権利を消滅させたことを公式に認めているのだ。

 だが、政府のこの判断とは逆に、最高裁判所に当たる韓国大法院は12年5月23日、徴用工に対する日本企業の賠償責任を認める判決を下した。また18年10月30日には、新日本製鉄(現日本製鉄)に対し、韓国人4人へ1人当たり1億ウォン(約1000万円)の損害賠償を命じた。ほかにも現在、韓国で同様の訴訟が進行中の日本の企業は、三菱重工業、不二越、IHIなど70社を超える。

 このような判決に対して日本政府は抗議しているが、韓国政府は「行政は司法の判断に介入できない」として静観する姿勢を貫いている。

 日韓請求権協定第3条には、両国に紛争が起きた際は協議による解決を図り、解決しない場合は「仲裁」という手続きが定められている。そのため、日本政府は何度か協議を提案したが、韓国側がすべて拒否。その後、第三国を仲裁に入れて協議することを打診したが、これも拒否されている。そのため、日本政府は国際裁判所への提訴も視野に入れている。

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