
コロナ禍にあって家で過ごす時間が増え、ペットを飼う人が増加する傾向にある。ペットを家族の一員として大切にする飼い主がいる一方で、ペットの飼育放棄も大きな問題となっている。動物にも人間と同様に食、睡眠などの欲求があり、心があり、喜怒哀楽を感じている。ペットとの生活は人間にQOL(生活の質)の向上をもたらすが、同時に飼い主はペットにとってのQOLを考える義務がある。
コロナ禍にペット需要は増加
掌に乗るほどの小さな子犬や子猫を見れば、多くの人が愛らしいと感じ、家に連れて帰りたいと思うだろう。ペットを飼うことで、人間の生活に癒しや潤いが生まれることは確かだが、ペットにとっても安らぎが感じられる環境を整えることが飼い主の責務である。ペットブームの影響で、安易なペット購入が増えているといわれるが、実際のところはどうなのか、子犬子猫専門ペットショップ「P’s-first」を運営するペッツファーストに聞いた。
「さまざまな報道等でいわれているように、ペット需要が増加していることは明らかだと思います。ペットの新規購入だけではなく、保護犬を引き取りたいというお問い合わせもいただきます。しかし、安易に購入するというわけではなく、以前からペットを迎えることを考えていて、コロナ禍で家にいる時間が増えたためペットを購入するきっかけになったという方が多くいらっしゃいます」(ペッツファースト広報担当者)
ペットを自宅に迎える子犬、子猫の時期が、食事やトイレのしつけなどもっとも手がかかるわけで、コロナ禍で家にいる時間が多く、ペットの世話にかける時間が取れることも購入に踏み切るきっかけになるということのようだ。
「ペットを購入していただく際には、ペットと飼い主様の両者が幸せになることができるかということに留意し、十分なヒアリングとお話し合いをさせていただきます。また、最大2泊までのトライアルホームステイを行っています。実際に家にペットを連れて帰り、一緒に過ごすことで、飼い主様との相性や想像していなかったことなどにも気づき、冷静に購入を検討していただいています」(同)
ペットショップで抱っこしただけではわからないことも多い。また、すでにペットを飼育している場合には、先住ペットとの相性も見ることができるトライアルホームステイは、飼い主にとってもペットにとっても有益といえる。