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日本の音楽産業、なぜ海外進出が出遅れ?159カ国で読まれるアイドル情報サイトの試み

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助野太祐氏(以下、助野) そこで、今回立ち上げたのが「Tokyo Girls’ Update」です。海外向けに特化し、英語・フランス語・中国語の言語で、日本のカワイイカルチャーを発信するのが目的です。

–「Tokyo Girls’ Update」は日本語による表記がありませんから、日本のアイドルを海外に紹介するサイトですよね? それでビジネスになるのでしょうか? しかも、熱心なファンなら、Google翻訳などを駆使して日本のアイドル紹介サイトも自ら読むのではないですか?

助野 確かに、熱心なファンなら頑張ってアイドル紹介サイトを翻訳して読むでしょうし、私以外にも日本の文化を海外に発信するサイトをつくっている人がいるかもしれません。しかし「Tokyo Girls’ Update」は、国内唯一の公式海外向けガールズカルチャー情報サイトです。各アイドル事務所から、きちんと許諾をもらって紹介しています。日本のアイドルを単に紹介するだけでなく、制作サイドと協力してアピールし、ファンを獲得し、物販だけでなく実際に来日してイベントに参加してもらうということを企画しています。

●「代理店」として海外展開を図る

–事務所の許諾を得ているのは心強いですね。日本では著作権など権利関係がシビアになっていますし、必要な要素です。

助野 そうなんです。従って「Tokyo Girls’ Update」は、制作サイドの「代理店」という立場で、アイドルの海外展開に協力します。

–「海外展開」ということですが、情報配信以外にも何かコンテンツはありますか?

助野 もちろんあります。会員になれば、当サイトオリジナルコンテンツを視聴できたり、ユーザー同士の掲示板機能を使える特典があります。月額4ドルのプレミアム会員になると、ファンレターをアイドルに送るサービスも受けることができます。

–ファンレターサービスですか。音楽を売るだけでなく、歌っているアイドルに興味を持ってもらえるようなサービスですね。ちなみに、どんな国の人がウェブサイトを訪問しているのですか?

助野 11月に集計した時点では、159カ国からサイトを訪問してもらっています。世界中のユーザーが見てくれていて、うれしい限りです。

–159カ国ですか。それでは、英語とフランス語と中国語以外の言語にも対応しないといけないですね。

助野 ええ、もちろんです。サイトを訪問するユーザーの動向をさらに分析して、これら以外の言語対応も検討しています。

–ありがとうございました。

 話を聞いてみると「Tokyo Girls’ Update」は、日本のアイドルを海外に単に紹介するだけではなく、アイドル事務所と協力して一人でも多く世界にアピールしていこうという意気込みが感じられた。159カ国のユーザーがサイトを訪問していることから、アイドル文化以外にも、日本の文化を発信する「ハブ」としての役割を担ってくれるようになることを期待したい。アイドル好きな筆者としては、ぜひ日本語にも対応してほしいところだ。
(文=久我吉史)

BusinessJournal編集部

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