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2023.06.21 10:52
2019.06.28 07:30
桶谷 功「インサイト思考 ~人の気持ちをひもとくマーケティング」
日本企業の優れた技術、世界市場席巻の無限の可能性…“もったいない現状”の脱却策
今は業績好調な大企業でも、中国に生産拠点をつくって進出することを躊躇して大きく出遅れたことが、逆に幸いしたというケースも多く見られます。中国人は、「中国で生産された日本メーカー品」を信用せず、「日本で生産された日本メーカー品」を買うという状況が到来し、中国に工場を持って現地生産していないことが逆に吉と出たわけです。
これこそ、まさに“幸運”。「たまたま」そういう状況になって、「たまたま」売れた。ここには、戦略がありません。
中国をはじめ、海外での需要増に対応して生産を増やすだけでなく、「なぜ売れているのか?」「どういう消費者のニーズに応えているのか?」をしっかり把握する必要があります。そうでなければ、今後、どういう施策を行い、どういう新製品を開発すればよいかが見えてきません。
消費財メーカーでありながら消費者が見えなければ、ECサイトという流通側からの要請に応じて、「製品を供給するだけ」の存在になっていきます。国内でも、スーパーやコンビニエンスストアなどのほうが消費者のニーズを把握している状況になると、流通側のPB(プライベートブランド)の商品企画に添って、「製品を供給するだけ」の存在になってしまうでしょう。
インバウンド需要は、日本のメーカーの業績を支えていますが、その一方で、メーカーがようやく目を向け始めていた「消費者ニーズを見つけ出して、製品を開発する」という視点を失ってしまう恐れがあります。
昔のように「いいモノさえつくれば売れる」という発想に逆戻りしてしまうことがないよう、常に「人々の意識やニーズ」に目を向けていることが、あらためて求められているのではないでしょうか。
(文=桶谷功/株式会社インサイト代表取締役)
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