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安保徹「間違いやすい医学の常識」

ツラい関節痛や五十肩に原因があった!安静や鎮痛剤で痛み除去は危険?治りを遅らせる

文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

 同時に指は曲がった状態になっています。これが外反母趾で関節炎を起こして問題となり、治りと再発を繰り返します。この時に大切なことは、痛いながらも可動する範囲で親指の運動を続けることです。血流が維持されて、しだいに治癒に向かいます。

 腱鞘炎も手の指の使いすぎで起こります。ピアニストの指の腱鞘炎や、重い鍋を扱う中華料理人の手首の腱鞘炎です。しかし、力の弱い人が日常生活のなかでも腱鞘炎は起こります。耐える力が少ないからです。そして、腫れや痛みは治るためのステップとして出ているので、薬で止めることは治りを悪くします。

 血流を良くして治りを進めましょう。あまり長く安静にしないで、そのうち可動する範囲で動かすのは関節炎の治療と同じです。関節とそのまわりの組織は動かすことで血流が呼び込まれるからです。安静と消炎鎮痛剤は血流を阻害する方向に働くことを知っておきましょう。
(文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士)

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座免疫学・医動物学分野)。米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経 支配のメカニズムを初めて解明。国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍
医学博士安保徹 公式サイト

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