(2)相手の反応を気にしない
相手の反応を見ながら、興味なさそうだったら話題を変え、共感している様子だったら詳しく話すというように、コミュニケーションには相互性が必要なはずだが、このタイプは相手の反応に関係なく一方的に言いたいことをまくし立てる。相手の様子などまったく眼中にないのだ。
(3)自分は特別といった雰囲気がある
こっちには頼み事をしてくるくせに、こっちが頼むと「忙しい」とか「ちょっと無理」などとあっさり断る。困ったことがあるとすぐに相談してくるのに、こちらが困っていても平気で知らん顔をする。
だからといって、頼み事や相談事に対して、「今ちょっと忙しいから」と言ったりすると、ムッとした感じになり、嫌味を言ったりする。このように自分は特別といった意識があるため、ギブ・アンド・テイクが成り立たない。
(4)親しくなると極端に遠慮がなくなる
ちょっと親しく言葉を交わすようになると、極端に遠慮がなくなり、ずうずうしい感じになる。いったん誘いに乗ると、しょっちゅう誘ってくる。うっかり愚痴の聞き役になると、しょっちゅう愚痴をこぼしに来る。相手の都合などいっさい考えない。
これはたまらないと距離を置こうとすると、それまでの和気あいあいとした雰囲気が一変して攻撃的になる。
(5)他人をコントロールしようとする
自分の価値観や考えが絶対に正しいと思い込み、人それぞれに考え方や生き方があるということを認めることができない。そのため、かかわる相手の考えや生き方が自分と違うと、それを無理やり変えさせようとする。
(6)自分を否定されたと思うと逆上する
バカにされやしないか、軽く見られはしないかといった「見下され不安」が強く、自分の意見や提案に周囲が賛同してくれなかったり、疑問を投げかけられたりすると、あたかも自分を否定されたかのように攻撃的な態度に出る。大声で反論したり、嫌味を言ったり、いじけたり、そこまでムキになるかと周囲が呆れるほど感情的な反応を示す。
(7)人に対する評価が極端に変わる
ちょっとしたことで人に対する評価が一変する。それまで信奉していた相手のことを「見損なった」などと批判し始める。それまで親しくしていた相手のことを「裏切られた」などといってこき下ろすようになる。思い込みが激しく、相手を勝手に理想化する習性があるため、何か気にくわないことがあると、裏切られたような気持ちになるのである。
(8)他人の成功に落ち込み、他人の幸せに苛立つ
比較意識が人並み以上に強い。そのため、同僚が仕事でうまくいくと、言葉では祝福しながらも、「それに比べて自分は……」と内心落ち込み、ときに陰で悪口を言ったりする。友だちに恋人ができたり結婚が決まったりして幸せそうにしていると、みじめな気持ちになり、苛立って嫌味を言ったりする。
(9)悪者を叩くことに異常に執念を燃やす
本当に相手が悪い場合でも、周囲の人間が「そこまでしなくても」と思うほど徹底的に攻撃する。落ち度のある人物や組織を批判するのはわかるが、その叩き方が容赦ない。悪者を叩くという行為に恐ろしいほどの執念を燃やす。
どうだろうか。これらが当てはまる人物が周囲にいないだろうか。すべて当てはまるといったケースは少ないかもしれない。だが、いくつかでも当てはまる人物が身近にいたら要注意である。恐ろしい攻撃性を秘めている可能性がある。
噴出しそうな攻撃性のはけ口として、落ち度のあるターゲットを探している。ちょっとしたことで攻撃のターゲットにされかねないので、適度に距離を置くようにしたい。
もし、自分自身も当てはまるかもしれないと感じる場合は、人間関係を悪化させないためにも、まずは日頃の生活を充実させることを考えたい。自分自身の欲求不満や攻撃性に気づくことができるのだから、改善する力は十分にあるはずだ。
(文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士)