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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」 №83

料理の手間を劇的に減らす「家での料理のシステム化」

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

植物栄養素を摂取すべき理由

 今年の夏は異例続きで、もしかしたら、のちのち、さまざまな夏の記録を塗り替えた年として記憶に残るかもしれません。しかし、筆者の周りでは、夏バテなどしている人はいません。猛暑の最中でも、毎日元気で仕事に励んでいます。それは必須栄養素と植物栄養素をきちんと食事から摂取していたからだと思います。暑い夏に、特に大事なのが、植物栄養素をどうやって摂り込むかということです。なぜならば、植物栄養素には解毒作用、免疫力強化作用、動脈硬化予防作用、抗アレルギー作用など独特の効力が認められており、さらにほとんどの植物栄養素は共通して抗酸化作用を持っていて、この抗酸化作用こそが猛暑の夏でも元気に過ごせる源となるからです。

 世界中の伝統食には、それぞれの地域で、それぞれの季節に採れる、多彩な植物を料理して食べるシステムが定着しています。それはとりもなおさず、植物栄養素をうまく摂り込むということにつながります。そのため、伝統的な食事のあり方またはシステムは、経験的に学んだことを実生活に生かす、「叡智の結晶」ということができます。それを科学的に分析し、さらに精度を上げていくことこそが、本来の栄養学の使命であると筆者は考えます。

 栄養学は、個々の栄養素の効果効能を謳い、それを商品化することが務めではありません。栄養素は単体ではなく、チームとして、全体として考えなければ真実は決して見えてきません。単体としての栄養素を過剰に摂取することは危険であり、本当の意味で健康に寄与するわけではないということに早く気づくべきです。

 日本をはじめとする先進国の現代の食事内容は、伝統的な食事のあり方、システムを無視したものとなっています。私たちは、もっと先人の知恵に学ぶべきでしょう。理想的な食事とはどういうものかを知り、もっと多くの植物栄養素を食事から摂り込むようにするべきです。食というものが、単なる金儲けの手段になってしまっていることが、それを阻んでいます。大半の人たちがそれに気づいていないということが、とても残念です。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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