消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
「スタートアップのIT・ウェブ企業にとって、00年代前半まで、その中心地は六本木でした。しかし、ライブドア事件などを機に中心地が渋谷に移り、今でも起業家の間では渋谷の人気が高い。ただ、再開発の影響で渋谷の賃貸オフィスの賃料はどんどん値上がりしていて、立ち上げたばかりのスタートアップではとても手を出せないレベルになってきています。そこで、五反田が安価なオフィスを求めるスタートアップの受け皿となっているのです」(同)
渋谷駅周辺の賃貸オフィスの平均坪単価は2~3万円と、確かに立ち上げたばかりのベンチャー企業には高すぎる。一方、五反田駅周辺の賃貸オフィスの平均坪単価は、山手線沿線でありながら1万2000~2万円という安さだ。
「賃貸オフィスの賃料だけでなく、周辺地域の賃貸物件の安さもポイントです。特に、スタートアップ企業で働く人たちは会社の近くに家を借りる傾向がある。その点でも、五反田は自転車通勤圏内にある賃貸物件の家賃が手頃なんです」(同)
さらにいえば、オフィス街であり夜の街でもある多様性も、ベンチャー企業が集まってきた理由のひとつと考えられるという。保守的な丸の内界隈と違い、多様性のある土地は若い企業でも参入しやすい側面があるからだ。
もっとも、そうした企業がずっと五反田に拠点を置き続けるとは限らない。
「五反田の賃貸オフィスは、多くの物件がスペースの狭い雑居ビルです。そのため、この街で企業規模を大きくするのは難しい。オフィスが手狭になれば、渋谷などのより広いオフィスに移転するケースも増えていくでしょう。しかも、現状では五反田に大きなビルが建つようにも思えない。今後は、企業にとって五反田で成長し、やがては巣立っていく“始まりの街”となることが予想されます」(同)
渋谷再開発のための“実験場”?東急電鉄の思惑
とはいえ、五反田が変わりつつあるのは間違いない。ベンチャー企業が増加すると同時に、街の風景も様変わりしつつある。今年3月には、東急池上線五反田駅から大崎広小路駅にかけての高架下に、おしゃれなテラス席がある飲食店が軒を連ねる新商業施設「池上線五反田高架下」がオープンした。
しかし、その背景には、これまで五反田をかたちづくってきた自然発生的な変化ではなく、東急電鉄の思惑があるという。
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