放射性物質対策万全、コストコ生協の賢い“レジャー的”活用術
いま、コストコと生協がアツい!
アメリカ発のコストコでは、東日本大震災の直後、安くて大容量の水や電池、トイレットペーパーが売れに売れた。例えば、コストコで売られている水は500ml×35本で568円。日本のミネラルウォーターなら1本約100円としても3500円はする。なんと約3000円もお得なのだ。
アメリカ人は一度の買い物で大量にモノを買い込み、備蓄する習慣がある。今後も起こりうる大災害に備えて、アメリカ式の買い物術として、コストコの大容量品を大いに活用すべきだ。
一方、主婦に根強い人気の生協にも注目だ。生協は安心安全な食材を届けることをモットーにしているが、震災後はますますその意識が高まっている。「食品の安全性に対する消費者の関心が高まる中、法律で義務付けられた表示だけではなく、独自に設けたガイドラインに基づいた表示も行い、組合員さんが必要な情報を正確に得られるようにしています」(生協コープデリ)
生協では、放射性物質の自主的な検査を行っている。それだけではなく、政府に対して、「消費者・国民の食品への不安解消、健康リスクの低減」「生産者への早期補償」「わかりやすい情報提供」を求める要請書を提出している。産地や原材料にこだわる、子どものいる家庭などの主婦は、生協のこうした姿勢を高く評価する。
ただ、コストコも生協も、会員にならないと利用できない。「登録が面倒」「会費が高い」と敬遠していては、もったいない。こうした会員制スーパーの人気の理由を探ると、昨今のスーパー業界の変化が見えてきた。ショッピングアドバイザーの今野保氏は、著書『食品雑貨完全ガイド』(晋遊舎)で次のように語っている。
「90年代後半以降、スーパーでは特価セールの効果が激減している。共働きなどライフスタイルの変化により、忙しくなった主婦は底値を追うことに疲れてしまった。代わって重視されはじめたのが、買い物に行ったときの『ワクワク感』や『そこにしかない商品ブランド力』」
毎週のように売り場構成が変わるコストコや、毎週分厚い商品チラシでお買い得商品を知らせてくれる生協は、どちらも買い物での『ワクワク感』を与えてくれ、『そこにしかない商品ブランド力』がある。コストコが日本で広がったのもここに理由があり、同社は次のようにアピールしている。
「日本上陸してはや12年。日本で人気なのは、コストコだからこそ購入できる低価格で大容量の輸入品。もちろん、日本製品も扱っています。安さが売りのディスカウントショップやドラッグストアで買うより安いモノも多々あります」
私は初めて店内に行って驚いた。精肉2キロやケーキ48人分、醤油1.8リットルなど、大きすぎて買う気が失せるような大容量品がズラリと並んでいるのだ。店内を歩いているだけで、海外のスーパーでお土産を選んでいるかのような旅行気分を味わえる。これは日本の大型スーパーでは、決して味わうことができない。