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奨学金で借金6百万!「死んでも働いて返せ!」と学生追い込み、返済のため自衛隊入隊

構成=林克明/ジャーナリスト
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 だからこそ、今必要なのは「畜生!」と声を上げることなのです。たとえば、ブラック企業で働かされているとしたら、そこまでしなければ借金を返せないという状況では、「しょうがない」と開き直ることも大切です。

 とんでもないブラック企業に入ってしまったら「辞める力」も重要です。ところが、実践するのはものすごく難しいのです。

 模範になる人はいないかと、さまざまな本を読んでいたところ、最近おもしろいと思う人に出会いました。それは大山倍達という人です。極真空手の創設者です。

 きっかけは、私の好きな故平岡正明というアナーキストの評論家が大山倍達について書いた本を読んだことです。彼は大山に師事して極真空手を覚え、有段者になっています。この本を読んだところ、「大山はすごい」と思えてきたので、彼を紹介したいと思います。

ゴリラとの闘争

 朝鮮全羅道出身の大山は、少年のころ旧満州にいた姉の農場で育ったのですが、そこにいた朝鮮人季節労働者に朝鮮古代武術を習い、それをきっかけに空手を習得していきます。

 戦前から紆余曲折のある人で、軍人の石原莞爾に憧れ、石原の指導する右翼的国家社会主義団体「東亜連盟」に加わわるなど、政治の道に進むことも考えたりしていました。

 日本の敗戦後、1952年にアメリカに渡り、現地のプロレスラーらと格闘します。古武術や中国拳法を究めているから急所を押さえると非常に強く、連戦連勝を続けるようになります。
 
 海外の人たちと戦い、勝ち続けた結果、「人類最強」のようにいわれはじめました。それ自体すごいことですが、大山は「もっと強くなりたい」「自分の限界を超えたい」と考えていたのですえ。自分の力の限界を超えるということは、おそらく人類の力の限界を超えることになります。

 大山の発想が常識を超えているのは、人類に敵なしのような状態になってしまったので、ゴリラと戦ったりしていることです。このエピソードには、真偽も含めて諸説あるのですが、たとえば有名な梶原一騎のコミック『空手バカ一代』(講談社)にも出てきます。

 アメリカでたまたま友人の家に行ったら、その家でゴリラを飼っていたらしいのですが、大山たちが食事をしているときに、ゴリラが檻から脱走して庭に出てしまったらしいんですよ。

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