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この間にも、厚労省は小さな失態を重ねていたが、最も話題となったのは12月21日に起きた「資料改竄疑惑」だ。記者からの追及を受けて、同省HPから一時は「平成26年度診療報酬改定について」というページが削除され、画面には「Not Found」という文字が出てくるという事態に陥った。
いったい何が「改竄」と問題にされたのか。12月24日に厚労省はお詫び会見まで開いたが、会見に出席した記者は次のように説明する。
「うがい薬のみの処方の場合、保険の適用外にするということが水面下の大臣折衝で『決まった』ので、厚労省は25日の中医協(中央社会保険医療協議会)総会を待たずに載せてしまった。それに日医と中医協が激怒した。慌てた同省が消去したという改竄どころか非常にくだらない話でした」
実際、本来なら中医協での議論を踏まえて決まる話であり、中医協会長の森田朗学習院大学教授が、その後の総会で「さらに検討する」と引き取って終わったのも致し方ないだろう。だいたい、閣議決定後の12月25日に提案すること自体、厚労省の手際の悪さがよくわかる。
主計局幹部は、「全体的には過去最大規模の予算になってしまい大敗だが、診療報酬のような敵失もあり、5兆円を上回るプライマリーバランス(基礎的財政収支。国債発行による収入を除いた国の収入と、国債の償還と利払いを除いた国の支出の収支バランス)改善もあり、次年度に良いかたちでつなげられる。本格的な歳出削減はこれからだ」と総括する。だが、支持率にとらわれる安倍政権が歳出削減に踏み切れるかはその時の状況次第。厳しい国家財政が続くことに変わりはない。
(文=横田由美子/ジャーナリスト)
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