消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
すでにラップ口座を契約している人は、国内株式に対する運用商品を見てみよう。ベストなのは東証株価指数(TOPIX)、または日経平均株価に連動する上場投資信託(ETF)だ。
運用管理手数料が高い公募の投信が入っていた場合、そのラップ口座は顧客の利益よりも手数料稼ぎを優先している。もちろん、速やかに解約して、預けた資産を回収すべきだ。
そもそも論で恐縮だが、運用の意思決定を他人に任せようとする心がけが間違っている、というのが第四の理由だ。資産運用について、「よくわからないから、専門家に任せる」というアプローチは良くない。お金は自分のわかる範囲で運用するべきであって、他人は信用できる存在ではない。
例えば、運用で負うリスクの大きさは「商品のタイプ」で調節するのではなく、「リスクを取る商品に、いくら投資するか」で調節することが適切だ。自分のお金を相手に預けて「私に適した運用をお願いします」というのは、外国で財布の中の所持金を見せて買い物をしようとするような愚行だ。
資産運用について他人に相談する場合は、商品を売り買いする相手と利害関係のない人物を選ぶのが原則だ。
先般、ある雑誌のマネー運用特集の座談会(鼎談)に出席したが、「買ってはいけない商品・サービス」の筆頭として、出席者3人の意見が一致したのが、ラップ口座(ファンドラップ)だった。
少なくとも、総合的な手数料(ラップ口座の手数料+商品の運用管理手数料)の合計が年率1%を切らない限り、ラップ口座は「明確にダメな運用サービス」である。現在のラップ口座には、一切関わらないほうがいい。
(文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表)
Business news pick up
RANKING
11:30更新関連記事
2024.10.18 15:10
2024.09.24 07:10
2024.09.22 18:00
2024.09.18 06:00