ビジネスジャーナル > マネーニュース > 今、多額ローンは絶対避けるべき選択  > 3ページ目
NEW
榊淳司「不動産を疑え!」

今、焦って無理な多額ローンで家購入は、絶対に避けるべき選択…家計破綻の恐れ

文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

 現在、住宅ローンは1%未満の金利で借りられて当たり前。しかし、インフレになれば3~4%は当たり前になる。投資家向けの融資では7~8%もあり得る。

 であれば、中所得層はマイホームを買えなくなるのではないか。

 金利だけを見れば買えなくなる。ただ、年収上昇率と住宅ローン金利は、なぜか連動性がある。現実、今の住宅ローンの金利(1%未満)は、多くの給与所得者の年収上昇率と近しいものがある。

絶対に避けるべき選択

 以上のように、インフレといっても「通常の範囲」であれば特に恐れることはない。また、住宅の購入条件にも際立って大きな影響を与えることもないはずだ。ただ、年々お金の価値が減っていくのだから、「貯金をしても仕方がない」と考えがちになる。だから「今のうちに買ってしまおう」という購買行動にも踏み切りやすくなる。そうなれば、住宅といわず世の中全体の需要が膨らむので、モノが売れるようになって景気が良くなる。

 近い将来インフレが年率3%から5%くらいで定着するのであれば、現時点で多少無理な計画で住宅を購入しても、「フラット35」などの固定金利を選択しておけば返済は年ごとにラクになっていくはずだ。

 しかし、決してインフレをあてにして無理な住宅購入をするべきではない。それは、言ってみれば人生そのものをギャンブルにするようなもの。もし、インフレが始まるのが17年ではなく20年以降だったら、その間に家計が破綻することさえ十分にあり得る。

 トランプ米政権誕生で本当にインフレがやってくるかどうかはわからない。そんな不確かなことを期待して多額の住宅ローンを背負うのは、絶対に避けるべき選択だ。
(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト

不動産ジャーナリスト・榊マンション市場研究所主宰。1962年京都市生まれ。同志社大学法学部、慶應義塾大学文学部卒業。主に首都圏のマンション市場に関する様々な分析や情報を発信。
東京23内、川崎市、大阪市等の新築マンションの資産価値評価を有料レポートとしてエンドユーザー向けに提供。
2013年4月より夕刊フジにコラム「マンション業界の秘密」を掲載中。その他経済誌、週刊誌、新聞等にマンション市場に関するコメント掲載多数。
主な著書に「2025年東京不動産大暴落(イースト新書)※現在8刷」、「マンション格差(講談社現代新書)※現在5刷」、「マンションは日本人を幸せにするか(集英社新書)※増刷」等。
「たけしのテレビタックル」「羽鳥慎一モーニングショー」などテレビ、ラジオの出演多数。早稲田大学オープンカレッジ講師。
榊淳司オフィシャルサイト

今、焦って無理な多額ローンで家購入は、絶対に避けるべき選択…家計破綻の恐れのページです。ビジネスジャーナルは、マネー、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!