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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

親の介護で破産する人続出…施設の利用料滞納で、突然に子供へ数百万円の請求

文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ代表、保険・介護・医療ジャーナリスト

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 検査技術や薬剤も含めた医療技術、衣類や空調・住環境などの日進月歩は、目を見張るものがある。また、人々の健康意識もひと昔前とは比べようもないぐらい高まっている。今後も医療技術や社会環境は進歩していくことに違いはないだろう。そうなると、平均寿命は必然的に伸びることは論をまたない。

 それを裏付けるデータがある。「平成28年度版高齢社会白書」によれば、今後、男女とも平均寿命は延びて、平成72年(2060年)には、男性84.19年、女性90.93年となり、女性は90年を超えると推測されている。

長寿の難しさ

 話をライフプランのエンディングに戻そう。「エンディングは平均寿命とみなせばいい」と考える方には、ぜひ、知っていただきたいデータがある。それが100歳以上の人口だ。

 厚生労働省(平成27年度9月11日付 プレスリリース)によると、100歳以上の高齢者は全国に6万1568人、45年連続で増加している。

 今後の100歳以上の人口予測は、20年後の2037年に約37,5万人、30年後の2047年には約55,5万人、平成72年(2060年)には、約61,8万人に達する(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年1月推計)」と見込まれている。

 ちなみに、「平成26年度版高齢社会白書」では、日本の将来人口は、平成72年(2060年)には8,674万人になると推計されている。前出でのデータと単純に比較するならば、約140人に1人が100歳以上の計算となる。もはや、介護や老後などまだまだ先と思っていられない時代に突入したことを自覚すべきではないだろうか。

ライフプランの読み違い

 仮に自分の寿命を「平均寿命」と予測してライフプランを計画していた男性が、103歳までご存命だったなら、どんな事態に陥るか、考えてみたい。本来は103歳まで預貯金を保有しなければならないはずが、81歳で預貯金が底をついたら、その後の生活はどうすればいいのか。

 生活保護という制度があるが、少子高齢化となれば、制度も現状を維持することが困難であることは火を見るよりも明らかだ。今ですら審査も厳しいのに、「ライフプランの読み違いで生活が成り立ちません」という申請理由が、すんなり受け入れられるだろうか。「子供や孫に頼れないのか」などと言われるだろう。だが、80歳の親の子供は定年目前か、リタイアメント世代で、親の面倒まで見られないというのが実情だ。わずかながらも、子供が親の面倒を見られない代わりに孫が祖父母を引き取っている家庭もあるが、極めてレアなケースだ。

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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