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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

子どもの低所得&低学歴、親の「子育て」が原因?

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
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日々の会話のなかから伝わる

 反対に、積極的に学習する姿勢を持ち、難しい問題に果敢に挑戦したり、スキルアップのために日々研鑽している親は、学ぶことの意義を認識していますから、子どもにもそのように伝えます。子どももそんな親の姿を見て育ちます。

 親自身が「努力が大切だ」と思っているから、「やってみろよ。失敗したって、またがんばればいいんだから」と子どもに挑戦することの大切さを教えます。子どもが「それ、どういうこと?」と聞いてきたら、「それはね、こういうことで、こういう理由があるからなんだよ」と答えるか、わからなければ「なんでだろうね、一緒に調べてみようか」と答えるでしょう。

 考え方も論理的で、躾をするときには「こういう理由があるからダメなんだよ」と子どもをひとりの人間として尊重し、丁寧に接します。論理的であれば、自分の行動がどういう結果になるかを想像できるので、一時の感情に任せて爆発させるということもなく、できる限り感情をコントロールしようとします。

 そういう親の態度に毎日接して育てば、子どもも親と同じような行動パターンを受け継いでいきます。そのため、「勉強しろ」などと直接言わなくても、日々の会話のなかから、親の論理的な考え方や勉強することの大切さは子に伝わるものです。ちなみに、東京大学の学生には、子どもの頃から一度も親に「勉強しろ」と言われたことがない人も多いようです。

自己責任論は悪なのか?

 こういう話をすると、「自己責任ばかり強調するのは良くない」「社会の仕組みが悪いせいだ」という人がいます。では、責任の所在を社会という漠然としたものに転嫁することで、何か良いことが起こるでしょうか。自分や子どもの生活が改善するでしょうか。「政治が悪い」「社会が悪い」「日本は未来に希望が持てない国」などと他者のせいにすれば、自分が努力をしなくてもいい言い訳ができ、安心できます。

 しかし、誰か他人のせいで自分が不幸なのだとしたら、その誰かに振り回され続けることを意味します。その誰かがいないと生きていけない、あるいはその誰かに変えてもらわなければ満足できる人生にできないとしたら、これは非常に不安定な生き方ではないでしょうか。

 野球にしても、うまくボールを打てなかったら、打ち方を変えるなど工夫します。同じ打ち方を続けていて打てるようになりたい、というのは無茶な話でしょう。これと同様に、社会のせいにして同じ生活を続けて、それで違う結果を求めるというのは、まったく整合性がないことに気がつきます。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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