「○○を食べると体にいい」「○○は健康を阻害する」など、世の中には健康にまつわる言説があふれています。そのほとんどはもっともらしく、健康に不安がある人ほどつい「試してみるか」と思ってしまうものですが、それらの中には間違っているものもあると指摘するのが、女性治療家塾「ヘルメス」の塾長で『「3つの体液」を流せば健康になる!──血液・リンパ液・脳脊髄液のしくみと流しかた』(自由国民社/刊)の著者、片平悦子さんです。
片平さんはこの本で、血液・リンパ液・脳脊髄液などの「体液」が健康に対して担っている大きな役割を説くと同時に、実は間違っている健康にまつわる言説にも触れています。
●水を多量に飲むと腎臓に負担
「水をたくさん飲むようにすると、代謝がよくなって健康にいい」という、広く知られた言説があります。これはいかにも正しそうに思えますし、頻繁にトイレに行くようになりますから、代謝が良くなった気にもなります。
ただ、これが「健康にいい」かというと、そうともいえないようです。頻繁にトイレに行きたくなるほど水を飲むのは、水分のろ過装置である腎臓に大きな負担をかけます。その結果、腎臓が疲れた状態になり腎機能が低下、気力がでなかったり、根気がつづかなかったり、腰痛が出たりといったことになります。
また、水を大量に飲むと体が冷え、体全体の臓器の機能低下にもつながります。水を飲むこと自体は悪いことではないのですが、できるだけ常温で飲む、口に水を含んだら少し口の中で温めてから飲み込む、トイレが近くなるほど飲むのは避ける、といった配慮が必要です。
●急な思いつきの運動はやらない方がマシ
「運動は健康にいい」というのも、疑う人はあまりいないはず。しかし、これまで運動をしてこなかった人が運動を始めて、しかも継続するというのはかなり大変なことです。結局三日坊主で終わってしまったという人は少なくないでしょう。この三日坊主がよくありません。
片平さんによると「一番体に負担なのは、激しく心拍数を上げることを時々思い立ったように行うこと」。最低週に2日以上できないのであれば、いっそやらないほうがいいのだそうです。
それよりも、床掃除をしたり、エレベーターはやめて階段を使うなど、ほんの少しの運動を日常的に取り入れた方が、健康維持という観点では効果的だといいます。
●「痛みが消えた=治った」は勘違い
たとえば、何カ月か苦しんでいた腰の痛みが、投薬によって消えた時、私たちはそれを「腰痛が治ったサイン」だと思ってしまいがちです。しかし、これは危険な勘違い。「痛みが消えた=治った」ではありません。
この場合、投薬によって痛みが治まっているだけであって、痛みの原因にアプローチしたわけではありません。しかし、若いうちは痛みが治まれば動けますし、少し休むと回復するので、この勘違いになかなか気づけないまま、薬を飲んでは無理を重ねてしまうケースがあります。
その“つけ”は体に無理が利かなくなる40代ごろから「何をやっても良くならない」状態となって表れるのです。
健康とは、少しくらい調子を崩しても自力で回復する“自然治癒力”の高い状態です。
本書では、その状態をつくるためのポイントとして「体液を滞留させずに流すこと」を挙げ、その方法を解説しています。病気にならない体をつくるというだけでなく、肩こりや頭痛などにも効果的なので、慢性的な体の不調に悩まされているという人は、試してみるといいかもしれません。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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