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出張版・アリエナイ理科「毒のハナシ」

危険ドラッグ、危険すぎて販売業者が自ら手をつけないほどに…神経を破壊、未知の成分…

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 そもそも、どうしてそんな受容体があるのかといいますと、命にかかわるようなケガをした場合などの状況下で生き残る確率を上げるために、脳内にはさまざまな麻薬的物質が存在しています。多くの人が一度は耳にしたことがある「脳内麻薬」と呼ばれるものがそれです。

 そうした受容体に大麻の成分や合成大麻類似成分がはまると、心地よくなったり、食欲が増進したり、吐き気が止まったり、痛みが抑えられたり、幻覚を見たりといった効果が発現するのです。
 
 例えば、幻覚を見たり、気分が高揚する効果は医薬品としては望ましくないため、そのような作用を極力出さずに痛みを和らげる効果を引き出すことを目的として開発されたのがCPシリーズなのです。

 こうした基礎研究は日々行われており、その研究成果の一部が犯罪組織などの資金稼ぎの一環として商業化されたもの――それが脱法ハーブの根幹なのです。つまり、脱法ハーブの成分である合成大麻類似成分の多くは、あくまで研究の一環として作られたにすぎないため、長期的な毒性や依存性などは、ほとんど実験データが存在しません。

 しかし試験管内の実験では、神経細胞を殺すことも確認されており、大麻よりも人体に危険な可能性が濃厚といえます。さらに、脱法ハーブの製造販売組織は、イタチゴッコの法規制をすり抜けるために未知の成分をハイペースに生み出し、試験的に市場に流し込んでいます。中には、麻薬というより神経毒に近い成分も数多く検出されています。

 これが現在の脱法ハーブの現実です。もはや、そうした脱法ハーブの販売業者は絶対に自らが販売する商品には手をつけないといわれるほどです。つまり、あまりに危険であるために手を出せないほどなのです。

 ここまで詳しく知れば、まだ脱法ハーブを試してみたいという人はいなくなるのではないでしょうか。
(文=へるどくたークラレ/サイエンスライター)

●へるどくたークラレ
 サイエンスライター。不謹慎理系書としてシリーズ累計15万部以上売れている『アリエナイ理科ノ教科書』(三才ブックス)著者。近著は別名義で『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』(ディスカヴァー21)、『本当にコワい? 食べものの正体』(すばる舎リンケージ)がベストセラーとなっている。無料のメールマガジン、ニコ生なども配信している。

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