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森由香子「間違いだらけの食」

春の旬、新玉ネギは“水にさらす”は不要!究極の食べ方でオリゴ糖&ビフィズス菌アップ

文=森由香子/管理栄養士

春の旬、新玉ネギは“水にさらす”は不要!究極の食べ方でオリゴ糖&ビフィズス菌アップの画像1

「Getty Images」より

 スーパーへ行くと、春の時期にしか食べることができない旬の野菜をみることができます。やわらかくて瑞々しく、体に良い成分がたくさん含まれていますので、季節の恵みに元気をもらいコロナに負けないようにしましょう。

 春に出回る野菜に、新玉ネギ新ゴボウ、アスパラガスがあります。これらの野菜にはオリゴ糖、特にフラクトオリゴ糖が多く含まれています。オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなり、その増殖を促します。近年の研究によると、オリゴ糖のなかでもフラクトオリゴ糖がビフィズス菌を増やすことがわかっています。

 この時季、旬の春野菜をたべて腸内環境を整えましょう。腸には、私たちの体を病原菌やウイルスから守るための免疫システムが備わっています。腸内環境が悪くなると免疫システムの機能が弱まり、病気にかかりやすい体になりかねません。

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『おやつを食べてやせ体質に!間食ダイエット』(森由香子/文藝春秋)

 腸内環境は、腸に棲みついている善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの腸内細菌のバランスで決まります。善玉菌と悪玉菌の勢力次第で、腸内の健康状態は日々変化しています。善玉菌が優勢に働いている状態を「腸内環境が整っている」といいます。腸内で善玉菌の割合を多く保ち腸の状態を良くすれば、悪玉菌が棲みづらくなり、善玉菌の勢力が優勢となり、腸内では食べ物からの栄養や水分が吸収されやすく、残りは大腸へ送られ排出されやすくなります。

 ところで、善玉菌は体に必要なビタミンも合成していることをご存知でしたでしょうか。ビタミンK、B2、B6、パントテン酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチンは、善玉菌もつくります。残念ながら体に十分な量は合成できませんが、善玉菌の勢力が優位な腸内環境であれば合成は、そうでない時よりもいっそう、高まるでしょう。

 新玉ネギ、新ゴボウ、アスパラガスには、水溶性食物繊維も含まれています。水溶性食物繊維やオリゴ糖は、整腸作用、ミネラルの吸収促進作用があります。ぜひ、日々の食生活に摂り入れてみてください。

プレーンヨーグルトのドレッシング

 玉ねぎは、辛味をぬくために薄切りにして水につけることがありますが、オリゴ糖が流出してしまいます。新たまねぎは辛味がないので、水にさらす必要がないので、より多くの栄養を摂取できるのがいいです。

 さらに、ドレッシングにもこだわりましょう。プレーンヨーグルト(大さじ3)、オリーブオイル(大さじ1)、豆乳(大さじ1)あるいは、すりおろしリンゴ(大さじ1)、塩こしょう(適量)を混ぜ合わせたものが、次の理由によりお勧めです。

 豆乳には大豆オリゴ糖、リンゴにはアラビノオリゴ糖が含まれており、どちらのオリゴ糖もフラクトオリゴ糖と同様にビフィズス菌を増やすことがわかっています。もちろん、ヨーグルトにも整腸作用があることはいうまでもありません。ちなみに悪玉菌はオリゴ糖をエサに利用できないため増えることはありません。

 これから、あたたかい季節を迎えます。腸内環境が整えば便秘改善などによりダイエット効果も期待できそうです。腸内環境を整えて元気に過ごしましょう。

(文=森由香子/管理栄養士)

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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