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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

庭木に毛虫が異常発生で近隣住民に健康被害続出、家の所有者は苦情を無視…どうする?

文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
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雑草が一面に覆う毛虫御殿

 新型コロナウイルス感染拡大の陰に隠れていますが、今年は千葉県北西部や他県の一部の市町村でチャドクガの幼虫(以下、毛虫)が多発していると行政のHPやSNSで報告されています。毛虫に刺されると痒みやただれなどの被害を訴える人も多いなか、賠償問題になりかねないトラブルに発展する事例が発生しました。しかも、その背景には相続問題があるというから驚きです。

 千葉県船橋市に住む夏子さん(仮名)が庭仕事をするときは、真夏でも帽子、長袖、長ズボン、アイガード、マスクが定番スタイルでした。ガーデニング作業をしていると、樹木や花、野菜の葉っぱや茎のトゲで切り傷になったり、かぶれたり、日焼けもするからです。

 爽やかな風が吹くある日のこと、いつものように玄関回りを掃除していた夏子さんが首元に感じた痒みは、やがて掻きむしらなければ収まらないほど強くなるばかり。慌てて家に入り、鏡を見ると、すでに胸元一面が真っ赤に腫れ上がり、出血までしていました。

 以前、皮膚科で処方されたステロイド系のかゆみ止めがあったことを思い出し、休日で周辺の病院が休診なのと、この痒みが一秒でも早く収まってほしいと切羽詰まっていたことから、不安を感じつつも塗りたくり、ようやく1時間後に落ち着いたのでした。

 翌朝、ゴミ捨てのために外に出た夏子さんは、再び痒みがぶり返しましたが、思い当たる節はありません。さらに昨日よりも痒さは増し、呼吸のたびに神経を直撃するほどです。そうこうするうち、突然、「わぁっ!」という大きな悲鳴が玄関先から聞こえました。声の主は配達員でした。玄関周囲に何十匹もの毛虫がへばりついていることを初めて知ったのです。痒みの原因がようやくわかり、病院へ駆け込んだことは言うまでもありません。

 被害者はほかにもいました。近所に測量に来ていた測量士の一人が、元の顔がわからないぐらいに顔が腫れ上がり、腫れた腕全体が真っ赤になっていました。うずくまりながら痒みと痛みに耐えていた測量士は、我慢の限界を超えたみたいで、仕事を中断して病院に車を飛ばしました。

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夏子さんの被害

毛虫被害の実態

 さて、毛虫被害はドクターや昆虫愛好家の間でも「毒がある、ない」「発熱する、しない」など見解が分かれるところです。そこで国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林研究部門 森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室長の北島博先生に毛虫について聞いてみました。

「毛虫はツツジ科のつつじやサザンカ、お茶の木を食樹とし、発生時期は4~6月および7~9月です。大量発生する理由はよくわからないものの、同じ樹木でも年によって大量に発生することもあります。毛虫には、背面の毒針毛叢生部(どくしんもうそうせいぶ)と呼ばれる部分に、毒性のある針の形状をした毒針毛がまとまって生えています。毒針毛は小さい毛虫では0.05mmから0.1mm程度、成長しても0.15mmから0.2mm程度ですから、とても小さく肉眼では見ることができません。

 毒性分としては、アレルギーを起こすヒスタミンが含まれているとされていますが、明確にはわかっておりません。『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』(著:夏秋優/秀潤社)でも毛虫被害について取り上げられ、簡単にいえば、毛虫の毒性分に対してかぶれるなどの反応をする体質になると記されています。反応の程度は個々人で異なり、体の大部分に皮膚炎の症状が出ると発熱することはあるようです。しかし、アナフィラキシーとの関係性については、チャドクガによる被害が他のアレルギーと相乗して酷くなるかどうかは、わかりません。ですので、まったく起こらないと明言をすることはできません。ともかく毛虫被害に遭ったら、医療機関で受診してください」

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