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片田珠美「精神科女医のたわごと」

眞子さま「お歌」流出騒動、小室圭さんへの“燃え上がる恋心”と“結婚願望”が浮き彫りに

文=片田珠美/精神科医
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宮内庁のサイトより

 宮中行事である「歌会始の儀(うたかいはじめのぎ)」が3月26日に行われたが、当日お披露目になるはずだった眞子さまのお歌が儀式に先んじて3月25日発売の「週刊新潮」(新潮社)に掲載されたため、宮内記者会は「誰が漏洩させたんだ!」と騒然となったという(3月31日配信「文春オンライン」 )。

 実は、当該の「新潮」記事で私は眞子さまの心理状態についてコメントしており、少々複雑な心境になった。ただ、和歌がここまで注目され、話題になるのは異例のことなので、「歌よみよりは局外者とか素人とかいはるる身」(『歌よみに与ふる書』)ではあるが、眞子さまのお歌について思うところを述べたい。

 まず、今回眞子さまがよまれたお歌

<烏瓜(からすうり)その実は冴ゆる朱の色に染まりてゆけり深まる秋に>

は優れた一首だと思う。何よりも、眞子さまの感情が素直に表現されている。恋の成就をひたすら願い、小室圭さんとの結婚を心待ちにする気持ちがひしひしと伝わってきた。そのため、小室さんを「例外者」「ゲミュートローゼ」「マニピュレーター」などと批判し、結婚に反対し続けてきた私でさえも、「そこまで『ほれこみ』が強いのなら、周囲が何を言っても無駄かもしれない」と思ったほどだ。

 このように感情を素直に表現することは、正岡子規によれば秀歌の第一条件である。子規は「歌は感情を述ぶる者なるに理屈を述ぶるは歌を知らぬ故にや候らん」(同書)と書いたくらいだから、感情の率直な表現を重視した。

 子規は俳人として有名だが、明治短歌革新の急先鋒に立った。2010年に放映されたNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』第2部で、俳優の香川照之さんが5カ月間で17kgも減量し、結核に冒され迫りくる死と闘う鬼気迫る姿を熱演したので、ご記憶の方も多いかもしれない。

 子規が闘ったのは病だけではない。夏目漱石宛の書簡で「歌につきては内外共に敵」(同書)と吐露したように、さまざまな敵と闘い続けた。これは、時流に流されず、世間にこびなかったからかもしれない。何しろ、平安時代に成立し、千年の長きにわたって和歌の聖典とみなされてきた『古今集』も、その撰者である紀貫之(きのつらゆき)も、「貫之は下手な歌よみにて『古今集』はくだらぬ集に有之候」とコテンパンに批判したのだ。それだけでなく、有名な『小倉百人一首』も「悪歌の巣窟なり」と一刀両断に切り捨てている。

 ここまで権威や世間と闘っていたら、当然敵が多かっただろうと容易に想像できる。だが、本当に痛快で、子規自身が残した俳句や短歌からも、へんに技巧に走らず、素直に自分の感情をよんだことが伝わってくるので、「歌は感情を述ぶる者」という言葉に納得がいく。

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