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ほうれん草のおひたしやノンオイルドレッシングが栄養学的に“間違っている”理由

文=赤石定典/管理栄養士、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
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「野菜を食べているから栄養十分」の勘違い

 β-カロテンは体の中でビタミンAに変わりますが、ビタミンAは油に溶けて体に吸収される脂溶性ビタミンです。そのため、油が少ないと吸収されにくくなります。脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)を効率良く摂取するなら、油と一緒に摂らなくてはいけないわけです。

 この場合、ビタミンAを油とともにしっかり吸収させることによって、肌がきれいになります。抗酸化作用のあるビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫にする作用があり、肌の保湿力を高める効果も期待できるため、乾燥肌の対策、髪や爪のダメージケアにも役立ちます。つまり、美容を意識して緑黄色野菜を摂るなら、必ず油も一緒に摂らないと効率が良くないのです。

 ただし、油でも絶対に避けなくてはいけない油があります。それは、揚げ物に使ったような酸化した油。油は光と空気、そして熱で酸化してしまいます。炒め物の油はいいのですが、炒めてから時間がたてばたつほど酸化してきます。

トマトの栄養素を効率良く摂取する方法

 冷やしトマトに塩をつけるのも、もったいない食べ方です。トマトはリコピンが豊富なことで知られていますが、強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの一種であるリコピンは、油と一緒に摂らなければあまり吸収できないのです。

 つまり、冷やしトマトを食べるなら、塩よりも油が含まれているマヨネーズのほうがいいということになります。カロリーの高さからマヨネーズを敬遠する方も多いですが、トマトの栄養素を効率良く摂取するためには欠かせないわけです。

 あるお店で出してもらった冷やしトマトは、スライスしたトマトにオリーブオイルとゆかりが振りかけられていて、言うことなしでした。もし、自宅で再現するなら、オリーブオイルもいいのですが、えごま油や亜麻仁油のほうがいいでしょう。「油は太るから」といってノンオイルドレッシングで野菜を食べると、脂溶性ビタミンがあまり吸収されません。一見健康的でも、結果的に野菜の食物繊維しか摂取できないというのは、実にもったいない食べ方ですね。

ラーメンを食べたい場合は「麺硬め」に

 ラーメンは1食でも塩分、脂質ともに摂り過ぎになります。それでも、どうしてもラーメンを食べたいというときもあるでしょう。その場合は「麵硬め」にすることで、少しでも体に良い食べ方となります。当然、油は少ないほうがいいですし、味も薄いほうがいいです。

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