ラム肉は極めて栄養価が高くダイエット効果も高かった…最高に美味い食べ方は「火鍋」
ラム肉はほかの肉に比べてさまざまな栄養素をバランスよく含むため健康に良いとされ、ダイエットに効果のある肉として人気が高まっています。特徴的な点は必須アミノ酸を豊富に含むことです。私たちの体を構成している筋肉や臓器は元をたどればタンパク質からできていますが、アミノ酸はタンパク質の原料となります。そのなかでも必須アミノ酸と呼ばれる、体内で合成することができず、必ず食品から摂取しなければならないアミノ酸(人間の場合はバリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン)8種類を豊富に含むのです。
さらにビタミン類も多く含まれ、特に脂肪を燃焼させる作用があるビタミンのL-カルニチンがラム肉の特徴です。カルニチンはもともと私たちの体内にも存在していますが、加齢とともに失われていきます。そのため、火鍋にラム肉を入れて食することは、香辛料による新陳代謝の活性化とラム肉のカルニチンによる脂肪燃焼で、より一層の健康効果が期待できます。
最後に話はスカトールに戻りますが、いかにも臭そうな名前のスカトールは想像通り、ギリシア語で糞を意味する「skato」から命名された化学物質です。濃縮されたスカトールは文字通り猛烈な糞のにおいがしますが、意外なことに、薄めると花の香りになる不思議な物質です。栄養学的にはむしろ毒性を持ちますが、当然のことながら、私たちは腸の中にもともとスカトールをたくさん保持しているため、火鍋でラム肉を食べた程度ではなんら影響はありません。安心して、夏には敬遠しがちな辛くて汗が噴き出す火鍋を楽しみたいですね。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)
【参考資料】
『マギー キッチンサイエンス -食材から食卓まで-』(共立出版/Harold McGee 著、香西みどり監訳、北山薫、北山雅彦訳)
「食品成分データベース」(文部科学省)
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