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しかし残念ながら、すべての人がこのプレミアムフライデーの始まりを嬉しくは迎えていないようです。「早く帰る分の仕事は誰がしてくれるの?」「早く帰っても、特にやることないし」「旦那が早く帰宅するため夕食準備が大変になった」――。このような意見も聞こえてきます。また、3月こそこの話題をニュースなどでよくみましたが、今ではほとんどみなくなったというのが実感です。そして6月1日からは、残業が月100時間を超える社員がいた場合、会社はその名簿を産業医に提出することが義務付けられました。
「残業禁止」と言っても始まらない現状への処方箋
働き方改革はまだ続き、全体として残業時間そのものを減らそうという方向になっていることは間違いありません。一方で、残業100時間超えに厳しい罰則を設けることに関しては、経済界からも反発があります。
私は産業医の立場として、健康を害するほどの働き過ぎを減らすことに異論はありません。しかし現場では、「残業禁止」と言っても始まらないのが現状です。
そもそも、今回のような国のトップダウンによる働き方改革は、どれほどの効果を上げるのでしょうか。また、実際の現場ではどのように対処しているのでしょうか。実際に「優良健康文化」を心がけている会社は、残業禁止と同時にどのようなことをやっているのでしょうか。
残業時間の捉え方は、動機(やる気)により個人差がある
多くの人にとって、働くということは、いつも楽しいことばかりとは限りません。時にネガティブな感情が心を占めてしまうこともあるものです。そのようななかで、人は自発的な動機がなければ、なかなかがんばって仕事を継続することができません。
「この会社はいい」「この仕事がいいだろう」と親や家族に言われても、実際に働くのは自分です。日々の仕事のなかに、自分の心に響くような働く意義や動機が持てることが重要です。会社のすべて、仕事のすべてに持てるに越したことはありませんが、部分的にでも、自分の心に響くような動機を持ち続けることは、各自にしかできません。入社時や転職時と、その数年後では、動機は変わっているものです。定期的に自分の働く動機を見直し、働く意義を常に持つことが大切です。
会社は社員を早く帰らせるだけではなく、このような動機付けを手伝うこと、そのような自発的な動機付けを引き出すきっかけをつくる意識も大切です。
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